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住宅ローンの繰り上げ返済 「期間短縮型」を基本に 減税効果にも目配り

2019/4/28

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数年前に組んだ住宅ローンを繰り上げ返済して利払い負担を減らそうと考えています。繰り上げ返済はその方法によって効果が大きく変わってくると聞きました。どう返済するのが有利なのでしょうか。

住宅ローンは元本と利息を毎月返済していくのが通常ですが、途中で返すこともできます。残債の一部を繰り上げ返済する場合、2つの方法があります。一つは毎月の返済額はそのままに完済までの期間を短くする「期間短縮型」です。もう一つは返済期間を変えずに毎月返済額を小さくする「返済額軽減型」です。

支払う利息の総額をより効果的に減らせるのは期間短縮型です。住宅ローンは初めのうちほど毎月返済額に占める利息の割合が重くなるよう設計されています。早くに期間を短縮するほどその分の利息を大きく減らせます。

例えば3000万円を金利1.5%、期間35年で2年前に借りた人が200万円を繰り上げ返済するとします。利息の軽減額を計算すると、期間短縮型なら約117万円。返済額軽減型(同53万円)よりも60万円強有利です。

もっとも、期間短縮型を選んだ場合、毎月返済額自体は変わらないので負担の軽減効果はすぐには実感しにくいと言えます。もう一方の返済額軽減型を選べば翌月から返済額が6406円減って当面の家計運営にはプラスです。

住宅ローンコンサルティングMFS(東京・千代田)の鈴木健二郎さんは「繰り上げ返済は、利息軽減の効果が大きい期間短縮型を基本に考えたい」と話します。その一方で「家計の状況によっては返済額軽減型を選んでもいい」と助言します。何らかの理由で収入が減ったり支出が増えたりする心配があるなら毎月の返済額を減らして家計に余裕を持つことを優先する考え方もあるといいます。

手元に返済資金があってもあえて繰り上げ返済はしないという選択肢もあります。理由は住宅ローン減税です。この制度は年末のローン残高の1%分を10年間、税額控除できる仕組みです。減税を受けている間に繰り上げ返済をして残高を減らすと減税効果は薄まります。鈴木さんは「1%未満の金利で借りている人は減税期間中は繰り上げ返済をせずに資金をためておき、11年目に一気に返す方が得になる」と話します。

金利が1%より高い場合は減税期間中であっても早めに繰り上げ返済したほうがトータルで得する例もあるので、自分の事情に合わせて慎重な試算が必要です。また期間短縮型を選んだ結果、返済期間が10年未満になると、ローン減税の対象外となることも確認しておきましょう。

[日本経済新聞朝刊2019年4月20日付]

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