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健保に年金… おさえておきたい働くシニアの必須知識

2019/5/4

業務委託などではなく雇用契約に基づいて就職する場合も注意点がある。契約社員やパートなど呼び方は様々だが、「働ける時間は正社員に比べて大幅に短くなることが多い」(社会保険労務士の大野実氏)。

労働時間が短いとやはり公的保障制度の対象外となるかもしれない。雇用保険では「週労働時間が20時間以上」といった基準を満たす社員を被保険者として制度に加入させる義務を企業が負う。労災保険は全社員が加入対象だ。

しかし現実には「保険料負担の発生を嫌って義務を怠る例が後を絶たない」(井上大輔社会保険労務士)。加入基準から外れるよう労働時間などを調整するケースもありうる。

健康保険と厚生年金の場合、従業員501人以上の企業では「週労働20時間以上」「1年以上働く見込み」「月給8万8000円以上」「学生以外」の基準を全て満たす社員は加入対象となる。パートなどでも正社員の週労働時間(通常40時間)の4分の3以上働くと加入資格を満たす。職を見つけたら事前に相手から話を聞くなどして「その会社が法律通りきちんと運用しているかを確認したい」と井上氏は助言する。

各種の給付金を含めて制度の概要を図Bに示した。例えば雇用保険では給与水準が大幅に下がった場合、一定額の給付金を受け取れる。65歳以上が失業した場合は一時金が出る。

厚生年金では在職老齢年金という仕組みも理解しておきたい。年金をもらいながら働くと年金額が減らされることがある。例えば65歳以上の場合、給与・賞与と年金を合わせた基準額が月47万円を超えると減額の対象になる。実際には該当する例は多くないが念のため確認しておこう。

(後藤直久)

[日本経済新聞朝刊2019年4月20日付]

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