健保に年金… おさえておきたい働くシニアの必須知識

ハローワークはシニア向けに就職支援の相談窓口を設置(東京・足立)
ハローワークはシニア向けに就職支援の相談窓口を設置(東京・足立)

働くシニアが増えている。2025年以降は公的年金の支給開始年齢も完全に65歳以降となり、70歳を超えてからの支給開始を選べる改革案も浮上している。定年後に新たな仕事に就く場合、収入環境は変わり、雇用保険や健康保険などの加入条件も変わってくる。働くシニアが押さえておきたい公的な社会保障の知識をまとめた。

増える就職希望者

「生涯現役支援窓口」。全国各地のハローワーク(公共職業安定所)に最近、主に65歳以上の求職相談に応じる窓口ができている。全国554カ所のうち設置済みは180(18年度末)。厚生労働省は20年度末までに300カ所を目指す。

ハローワーク経由の求職者数はここ数年、景気回復を映して減少傾向にある。だが65歳以上に限ると増加が顕著だ(図A)。仕事をしたくても希望する就職先が見つからない例が多い。

企業は法律上、社員が希望すれば65歳まで働けるようにすることが義務付けられ、多くの企業が定年を迎えた社員を再雇用する制度を導入している。だが65歳を超えると義務はなくなり、職に就く機会は減る。

それでも納得できる就職先を見つけた人はいる。東京都在住の麓義博さん(69)は今年1月に地元のハローワーク足立を訪れ、シニア雇用に積極的な会社と話す説明会に参加。2月には契約社員として社会保険労務士事務所に採用され、月10万円台の給与で働く。

銀行などで長年、総務や経理の仕事をしてきた麓さんは、社会保険や税金の事務に詳しい点をアピールして仕事に就いた。「自分の専門知識や経験を生かせるかがシニアの求職活動では大切だと感じた」という。