中銀の独立性が侵される時 歴史に学ぶ(平山賢一)東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

トランプ米大統領は米連邦準備理事会(FRB)に対し、折に触れ金融緩和圧力をかける=AP
トランプ米大統領は米連邦準備理事会(FRB)に対し、折に触れ金融緩和圧力をかける=AP
「今の国債・株式マーケットは1940年代と似ている点が多い」

最近、世界の金融秩序を揺るがしかねない、気になる動きがみられます。米国政府が中央銀行にあたる米連邦準備理事会(FRB)に対し、金融緩和を強く求めていることです。空席になっている理事ポストに利下げ(金融緩和)を強く主張する人物を推奨し、さらに、トランプ米大統領自身が得意の口先介入を繰り返しています。

「おきて破り」の中銀への圧力

これは世界の金融・経済界の「常識」に反します。政府は中央銀行の金融政策への口出しを避け、中銀は政府からの独立性を保つべきであるというのが主流の考え方です。中銀は短中期的な利害に左右されやすい政治的調整から離れ、中長期的な経済動向に着目して政策を遂行すべきだとの考え方は広く受け入れられています。

ところが、米国の現状はどうでしょう。このような常識が一部で通用しなくなっている気がします。大統領選挙を来年に控え、再選のために何が何でも景気を浮揚したいトランプ氏は景気や株価にプラスになることは何でもやる、という考えなのかもしれません。昨年末にかけての株価下落の理由の一つとして、FRBによる利上げ(金融引き締め)を指摘するプロ投資家が多いこともあり、常識を超えた政府の圧力がFRBにかかっています。