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中銀の独立性が侵される時 歴史に学ぶ(平山賢一) 東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

2019/4/23

米国だけではありません。日本でも中国でも、政府の意向を優先した金融政策が採用されやすくなっているとの指摘はあります。金融政策の影響を強く受ける金融市場の中心地、ウォール街では「FED(中央銀行)に逆らうな」の格言があります。世界中の市場参加者が固唾をのんで、各地域の中央銀行の一挙手一投足を見守っているのです。それだけに、政府の圧力が強まるのか、弱まるのかは、最大の注目ポイントといえます。

■1940年代の教訓

歴史をひもとくと、政府が中央銀行の行動を左右した時代がありました。世界大恐慌の後、1930年代末から40年代前半にかけては、政府・国家の力が、中央銀行の政策を動かし、金融市場にも大きな圧力がかけられました。米国ではFRBが米国債を発行する財務省と一緒になって、長期国債利回りが上昇しないよう利回り水準をくぎ付けすることに協力したのです。

日本でも金解禁(旧平価での金本位制復帰)による混乱収拾のためにも、1932年から日本銀行が政府の発行する日本国債を直接引き受けることで、長期国債利回りを低下させ、金融環境の安定に貢献しました。

二・二六事件後、1937年に勃発する日中戦争以降に大量の戦時国債が発行されたことはよく知られています。国債が大量に発行されれば、平時なら国債を購入する投資家は消化不良に陥り、国債価格が下落(利回りは上昇)してもよいところですが、戦時下だけに政府が様々な国債投資優遇政策を実施し、日銀と協力して長期国債利回りの上昇を回避しました。

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