春物スーツに合わせる小物 色調そろえ統一感忘れずに
出勤前、「きょうは何を着ようか」と思案に暮れる人は少なくない。そんなビジネスマンに、押さえるツボを伝授する「プロが教えるBizコーデ」。今回は春のセットアップに小物類をどう合わせるかについてスタイリスト、小林新さんに極意を聞いた。
■色同士でけんかしないことがなにより大切
何はさておき、コーデを考える上で小林さんが重視するのは「色の統一性」。スーツにネクタイ、靴や鞄(かばん)と装いアイテムが増えても、全体の色のトーンがそろっていれば、ちぐはぐ感を生むことがないから、という。色同士でけんかしないこと。それが何より大切なポイントだ。
オンの装いの一例として、グレーのセットアップで考えてみよう=写真1。この場合、ワイシャツはもちろん白でも問題ない。あえて薄いブルーをセレクトした狙いは「こなれ感の演出」。
新社会人なら白のワイシャツの方がフレッシュで好印象を与えるはずだが、薄いブルーはそれとは少し違った雰囲気を醸し出す。初対面でフレッシュマンとはひと味違いなじみやすい人という印象につながると思う。赤系の配色をアクセントにしたネクタイでVゾーンを演出したことで、必ずや周囲の目はそこに向くはずである。
■靴と鞄とベルトは同じ色に
コーデで覚えておきたいもう一つの基本は、靴と鞄、ベルトは同じ色で合わせること。このセットアップの場合、鞄や靴は茶系で合わせたい。ビジネスマンはとかく黒のバックを持ち歩きがちだが、もう一つ、茶系の色味の鞄があれば「汎用性が増し、センスの良さを際立たせることにもなるはずだ」。ブルーのステッチのチーフを胸に挿した=写真2=のは、色の統一性を考えてのことであるのはいうまでもない。
すべて同系色でまとめる「ワントーンコーデ」は、よりテクニックが必要で、上級者向けといっていい。すべてネイビーで統一したのが写真3。靴や鞄はこの場合、黒でも問題はないが、今回のようなデニム地の靴を合わせると、おしゃれ度アップは間違いない=写真4。もう一つのポイントはチーフ。ネイビーの柄物をセレクトすることで、装いにアクセントをつけた。
■小物の使い方でセンスの良さわかる
カジュアルなセットアップの場合の小物合わせはどうするか。今回、セレクトしたのは人気のアースカラーの一つでもあるライトオリーブの上下=写真5。装い方次第でオンでもOKかもしれない。
オリーブ色と相性がいい色調は茶系やオレンジ系。そこで茶系のサンダルとオレンジ系のチーフを挿した。中を白のTシャツにして、さわやかないまの季節感も演出=写真6。「シルバーのブレスレットをはめ、手元の華やかさを演出するのもあり」だ。シルバーはゴールドより控えめで、誇張しない分、大人の雰囲気が漂う。
小物の使い方ひとつでセンスの良しあしが自然と表れてしまう。一歩使い方を間違えると、台無しになる。爽やかな季節のこの時期、装いに華やかさと軽快さを採り入れながら、春のおしゃれを楽しんでほしい。
※商品の価格は税込み
大学卒業後、2006年に独立。雑誌や音楽、広告分野などを中心に活動。服にとどまらず、その周辺にある美術などもスタイリングの一環と考え、独自の視点を持つスタイリストとして定評がある。
「プロが教えるBizコーデ」記事一覧
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。