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初任給、何に使う? 増える「親より自分」 平均21万円強、50万円の企業も

2019/4/21

新入社員は初任給を一体、何に使うのか。取材してみた

4月も後半に入り、新入社員が初めての給料を手にする時期がやってきた。日本経済新聞社の調査によると、全国の上場企業・非上場企業1309社の初任給の平均は21万8505円。人手不足から上昇基調にある初任給だが、新入社員は一体何に使うのか。日経ヴェリタスの記者が、新社会人を取材してみた。

■トップは日本商業開発の50万円

まず日経新聞がまとめた「初任給ランキング2019」(一次集計)で、初任給が最も高かった企業を訪れた。

初任給トップは、不動産投資・開発を手がける日本商業開発(3252)だ。支給額は50万円で、さらに月10万円の住居費手当てが付く。新入社員2人に初任給の使い道を聞くと、答えはそろって「親へのプレゼント」だった。

日本商業開発の伊集院ほのかさんは、初任給で「両親にワインをプレゼントする」と語る

投資運用本部に配属された井上要さん(22)は、「両親とおすしを食べに行きたい」と両親と2人の兄にすしをごちそうする予定だ。予算は「1人あたり3万~4万円」(井上さん)。合計で15万~20万円と奮発する。同じ投資運用本部の伊集院ほのかさん(22)も「家に両親を招いて、ご飯をふるまいたい」と話す。両親には「5万円くらいのワインをプレゼントする」考えだ。両親を招くために自宅は2LDKと広めの家を選んだという。

■「知識を蓄えたい」

次に訪れたのは、東京・五反田にある貸会議室の一室。室内ではネットサービスを手がけるガイアックス(3775)などIT(情報技術)系企業7社が、新入社員向けの合同シェア研修会を開いていた。

研修の参加者18人の初任給は約23万~28万円ほど。同じくその使い道を尋ねてみると、ここでは親へのプレゼントよりも、自分のために使うと語る新入社員が多かった。

「自分の好きなことにお金を使いたい」

ダイエット食品や美容化粧品を開発するグラフィコ(東京・品川)の久保田真結さん(21)は、初任給を家具の購入費用に充てる予定だ。SNS関連サービスを手がけるアディッシュ(東京・品川)の夏目拓希さん(24)は「新生活のためのベッドマットを買いたい」と話す。ガイアックスの山之内稔真さん(23)も「社会人になり、知らないことが多いと気づいた。今のうちに本を買って、知識を蓄えたい」と語っていた。

■将来への不安、根強く

日経ヴェリタスが新入社員26人に初任給の使い道を尋ねたところ「趣味・買い物」、「貯金」、「投資」など自分のためにお金を使う人は13人だった。使い道の定番ともいえる「親へのプレゼント」(12人)を、わずかに上回る結果となった。「恋人へのプレゼント」は1人だった。

もっとも新入社員といえども、将来への不安は根強いようだ。

ネットサービスのエンファクトリー(東京・渋谷)の荒木星之祐さん(23)は「いつクビになるのか、分からない」との危機感がある。「貯金して将来に備えたい」として、給料の約1割を貯金に回す考えだ。

エンファクトリーの荒木星之祐さんは、将来への不安から初任給の約1割は貯金に回す考えだ

新入社員といえども、将来のお金に不安を感じる向きは少なくない。内閣府が16~29歳の男女1万人を対象にした調査では、「老後の年金はどうなるのか」との回答が75.4%に達した。

■投資にも関心

ガイアックスの岩間裕太さん(23)は貯金より投資派だ。「まず自社株を買う。働いた分だけ資産が増える方が頑張れる」と積極的だ。

社会人デビューをきっかけに投資に関心を持ち始めた新入社員もいる。損害保険ジャパン日本興亜の粉川美乃里さん(22)は「学生時代はあまり興味を持てなかったが、これから投資を勉強して機会があればやってみたい」と語っていた。

親へのプレゼントでは、モノよりも、旅行や食事などの体験を送ろうと考える新入社員が多かった。

マネーフォワード(3994)の影山葵さん(23)は「両親が訪れたい場所に行けるよう、頑張って7万円くらいの旅行券を贈りたい」と話す。ガイアックスの山崎嘉那子さん(22)も「旅行やマッサージなどリラックスできるものをあげたい」と語る。

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