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2階エレベーター降り口前にある面陳列棚のベストセラーコーナーに並べる(八重洲ブックセンター本店)

2階エレベーター降り口前にある面陳列棚のベストセラーコーナーに並べる(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。新年度に入って資格関連のテキストブックなど定番の売れ筋も動き出し、ビジネス書売り場は盛況だ。そんな中、新刊で売り上げを伸ばしていたのは、「好き嫌い」を軸に仕事や会社、世の中を軽妙に論じた経営学者のエッセーだった。

『ストーリーとしての競争戦略』の著者

その本は楠木建『すべては「好き嫌い」から始まる』(文芸春秋)。楠木氏は『ストーリーとしての競争戦略』(2010年刊)で脚光を浴びた経営学者。最近好んで発表しているのが「好き嫌い」という切り口だ。本書も文春オンラインに寄せた連載原稿に大幅な加筆・修正を加えて、「好き嫌い」を使って様々なことを縦横に論じていく。気軽なエッセーとして読むもよし、副題の「仕事を自由にする思考法」に従ってビジネススキル系の本として読むもよし、社会時評、仕事論として受け止めるのもよしという、融通無碍(むげ)の構えの本だ。

著者ははじめに「好き嫌い族」宣言をする。世の中には「好き嫌い族」と「良し悪し族」がいて、最近「良し悪し族」が「どうにもデカいツラをしているように思う」という。世事のもろもろについて、「ここがおかしい」とか「これからはこうならなくてはいけない」とか、声高に主張するような風潮だ。

そんな風潮に抗するかのように、著者は淡々と「好き嫌い」を切り口にあれこれ論じてみせる。ほとんどの節が「あくまでも個人的な好き嫌いの話として聞いていただきたい」と始まる。「はじめに」の「好き:好き嫌い、嫌い:良し悪し」に始まり、最初の節では「好き:凝る、嫌い:頑張る」を論じて無努力主義の仕事術について語り、最終節では「好き:産業資本主義、嫌い:金融資本主義」と置いて、資本主義の未来を語るといった具合だ。

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