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AI兵器規制できる? 米中ロの慎重論崩す線引きカギ

2019/4/23

「18年8月の第3回GGEでは、まずCCWとして合意できる原則を議論しようと、そのたたき台となる10項目の基本原則案(Possible Guiding Principles)が提案された。この中には、兵器システムに国際法を適用することや、今後開発配備される兵器に関する説明責任、兵器システムの暴走を防ぐための措置、新技術導入における国際人道法上の配慮や、平和目的の知的自動化技術の開発を妨げないといった内容が盛り込まれている」

「3月の第4回GGEは、この基本原則案について各国政府やNGOが見解を表明する形で進んだ。NGOからはLAWS禁止条約を作るべきだという意見も引き続き出たが、最終的には規制の具体策はともかく、基本原則案を軸に合意を目指そうという流れになった。8月の次回会合で同基本原則で正式合意できる可能性が出てきた」

――LAWS規制に関する日本政府の立場は。

「どのような規制の枠組みになるにしても、多くの国々が参加する実効性のある仕組みでなければならないというのが基本的な立場だ。日本代表はGGE会合のあらゆるセッションで積極的に発言して、合意形成に努めている」

「日本に限らず、各国政府はLAWSは開発しないと表明しているが、LAWSに至らない『高度に自動化した兵器』の開発・導入は必要と考えているようだ。日本でも昨年末に改定された防衛計画の大綱(防衛大綱)では宇宙・サイバー・電磁波といった新領域での防衛力強化を打ち出している。兵器体系へのAI利用は各国が競っており、むしろ日本は遅れているのが現状だ」

――LAWS規制について個人的な意見は。

「LAWSとこれに類似した自動化兵器との間の線引きを明確にする必要がある。兵器使用には人間による介入や判断を反映すべきだ。兵器が勝手な判断で攻撃を始めて、偶発的に戦争が始まってしまうというのはやはり怖い。戦争は高度に社会的な行為であり、戦争開始の判断は、機械ではなく人間が下さなければならない」

「従って何らかのLAWS規制は必要だが、実効性をどう確保するかが問題だ。実は、包括的な禁止条約であったとしても、LAWSに対する実効性のある規制になるのかは疑問だ。軍備管理・軍縮の分野では、核兵器禁止条約にみられるように、1つの条約ですべてコントロールできなくなっているのが現実だ。AI分野では民間技術が非常に高度化しており、先端技術を導入した軍事インフラを政府は民間と協力して構築しなければならない。民間の技術開発を阻害しないよう配慮しつつ、実効性のある規制枠組みを考える必要がある」

(編集委員 吉川和輝)

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