スマホでフィット感自在 ナイキがスマートシューズ
注目の新製品や新サービスをピックアップ、市場性や開発者の声などから、日経トレンディ記者が大胆に「ヒット予報」をする。今回取り上げたのは、スマートフォン(スマホ)の専用アプリを操作して靴のフィット感を自由自在に変えられる「ナイキ アダプトBB」(ナイキ)だ。
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●予想実売価格/3万7800円(税込み)
●サイズ/25~29、30cm
●連続駆動時間/10~14日間(週3回のアプリ利用時)
●発売日/4月5日
ナイキから「スマートシューズ」をうたうシリーズの第1弾となるバスケットボールシューズ「ナイキ アダプトBB」が発売された。最大の特徴は、スマホの専用アプリを操作して靴のフィット感を自由自在に変えられること。足を入れると専用のモーターとギアが足が必要とする圧力を感知。アプリを操作してモーターを動かし、シューレース(靴ひも)を締めたり緩めたりできる。
同社は17年、靴に搭載されたボタンで調節できる「ナイキ ハイパーアダプト1.0」を発売済み。しかし実際に履いてみると、履き心地は全く異なる。ハイパーアダプトは足の甲の部分を中心に締める従来の靴ひもと似た感覚。対するアダプトBBは、かかとを中心にがっちり固められる印象だった。
スマホの操作もシンプル。締め具合を調節する画面には「L(左)」「R(右)」の文字が大きく表示されており、指を上に滑らせると締まり、下に滑らせると緩む。本体のボタンでも締め具合を調節できるが、微妙な調節はアプリのほうが簡単。リリースボタンを押せば一気に緩んだ状態になり、脱ぐときなどに便利だ。
今後、複数のフィット感を登録して簡単な操作でそれらを瞬時に呼び出せる「プリセットモード」も提供される予定。試合中はしっかりと締め、休憩時は少し緩めるといった使い方も可能になり、まさに進化するシューズといえる。
ハイパーアダプトは税込み8万円超と手を出しにくかったが、アダプトBBは半額以下で、実用モデルといえる。搭載するセンサーで個々人のデータが取得でき、より個々のユーザーに合った機能のアップデートが期待される。
(日経クロストレンド 山下奉仁)
[日経トレンディ2019年5月号の記事を再構成]
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