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「話す」ベンツAクラス 驚いたのは音声操作より走り

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NIKKEI STYLE

メルセデス・ベンツのエントリーモデルとして人気の高い「Aクラス」。初代と2代目はファミリーに適した背の高いトールワゴンスタイルだったが、3代目から方向をやや修正。5ドアハッチバックへと転身し、若者やカップルに受け入れられ、日本でも人気モデルへと成長した。2018年10月にフルモデルチェンジを行い、プラットフォームから一新された4代目はどう変わっているのか。大音安弘氏が実際に試乗し、確認した。

◇  ◇  ◇

新型Aクラスで話題になっているのが最新のインフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)」だ。「Hi !Mercedes!(ハイ、メルセデス)」と呼びかけると、システムが対応するCMや動画を見たという人も多いだろう。

ただ実際にAクラスに乗り込んでみると、MBUXはAクラスの魅力の一部にすぎないことが見えてくる。実用車としてもピカイチの出来になっているのだ。

見るものを引き付けるスタイルは、最新世代のメルセデス・ベンツのもので、かなりクールだ。スポーティーでありながら、質感の高さも感じさせる。

ボディーのサイズアップは最小としながらも、デザインのボリューム感が増したことで、コンパクトハッチながら、堂々とした風格もある。特に前後マスクには力強さがあり、「小さな車」というイメージは薄められ、メルセデスであることを強く主張する。

インテリアも、かなりモダンだ。最も象徴的なダッシュボード上に配置された2枚の液晶パネルは、デスク上のタブレット端末を連想させる。ただ前方の視界には全く影響のない位置に配置されているので、違和感もない。

驚いたのは、後席スペースの広さだった。足元なども拡大されているが、頭上まわりを広くしたことで、ゆったりとした快適性を実現している。これなら、セダンから乗り換えた人でも不満を抱くことも少ないだろうと感じた。

静粛性の高さに驚く

新開発のパワートレインは、従来型よりもさらにダウンサイズが進み、1.6Lターボから1.33Lターボに。排気量は抑えられたが、最高出力136ps、最大トルク200Nmを発揮する。小さいエンジンながら、試乗では軽やかに加速してくれた。トランスミッションの7速DCTのスムーズな変速も良い。

ボディーサイズも街中で扱うには、ベターなもの。しかも、若々しい見た目同様に、キビキビした身のこなしも得意だ。

高速道路ではどうか。

ターボとはいえ、1.33LしかないAクラスだが、ここでも隙が無い走りを見せる。高速域の加速や巡行も、まだ性能の余裕を感じさせる。高速走行時の安定性も高く、乗り心地も良い。車線中央維持機能付き全車速対応ACC(アダクティブ・クルーズ・コントロール)の「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」機能を使えば、自動運転レベル2のドライブが楽しめ、ドライバーの疲労軽減と燃費向上に役立つ。

最も驚かされたのは、静粛性の高さだ。市街地走行だけでなく、高速道路でも前後席とも静かで、車内の会話も自然な大きさで十分に伝わる。加速時に、エンジン回転数が高まると、排気音も高まるが、これもしっかりと調律されているようで、力強い低音が響くものの、まるでスポーティーな運転を演出されるBGMのよう。後席でも排気音がうるさく感じることはなく、会話への影響もなかった。

音声だけではない多彩な操作方法

音声操作ばかりに話題が集中しているMBUXだが、実際に操作をしてみると、最大の特徴は多彩な操作方法にあることがわかる。

ステアリングスイッチやメカスイッチ、センターコンソールのタッチパッドなどこれまでもあった操作に加え、メルセデス初のタッチスクリーンも搭載されている。これらに加え「Hi !Mercedes!」という発話での起動が可能な音声操作を備えることで、状況に合わせて最適な操作方法が自由に選べるようになった。

例えばラジオやエアコンの操作にしても、停車中は手慣れたスイッチ操作で選局や温度調整を行う。走行中は「Hi !Mercedes!」と呼びかけてから「TOKYO FMにして」とか「温度を下げて」「熱いんだけど」などと話しかければステアリングから手を離さずに操作ができるというわけだ。誰がが一緒だと「Hi!Mercedes!」と呼びかけるのが照れ臭いという人もいるだろう。その場合、ドライバーならステアリングスイッチで音声操作機能を起動することもできる。

後部座席から音声で指示

音声操作に関しては話題の機能だけに試乗時にいろいろ試してみた。

MBUXがこれまでの音声操作機能と異なるのは、定型文ではなくクルマと会話するような呼びかけを理解してくれることだ。ちなみにこれはAIによる機能ではないという。車載のソフトウエアとクラウド上のソフトウエアの両方を使い、システムがどちらの対応が最適か判断し、数秒以内に応答及び反応をする(通信が行えない場合は、車両のソフトウエアのみでも対応できるようになっている)。その様子を動画で記録した(経路案内の部分の音量が小さいのはカーナビの音量を下げていたからだ)。

音声入力に関しては、最初に体験した1月末からゴールデンウイークまで、何度か試乗した機会にいろいろと試してみたが、容易に受け付けてくれるものとそうでないものがあった。ある程度ファジーな対応が可能なのだが、そもそも操作できる機能は限定されており、しかもAIではないので、GoogleやAmazonのスマートスピーカーのように賢い対応とはいかない。音声で何ができるかを理解しておかないと、不満が募る機能となってしまいそうだ。ちなみに「ヘルプ」メニューを呼び出すと(音声でも可)、MBUXの音声入力で行える項目が表示される。

MBUXの今後の発展性は、大いに期待できる。ただ現時点の能力に関しては、乗員のアシスタントを担ってくれるが、コンシェルジュではないことをしっかりと認識しておくべきだろう。ちなみに、音声で日時や時間、現在地及び目的地の天気なども教えてくれるのは意外に便利だった。

そんな音声操作の最大のメリットは、ドライバー以外からの操作を可能としたことではないか。後席に子どもと一緒に座っている親も、エアコンの調整ができる。Aクラスに乗った誰もがエアコンやオーディオ、目的地検索などの操作することで、車内にも一体感が生まれるかもしれない。ちなみに、特定の音声コマンドで、「MBUX」がしゃれた返事を返す機能もあるという。家族でそれを探してみるのもAクラスならではの楽しみだろう。

400万という価格をどうみるか

数日にわたり試乗してみて感じたのは、これまでのAクラスと比較して「一皮むけた」ということだった。

走り、機能性、快適性、実用性などクルマに求める欲求を全て一定以上のレベルで超えており、バランスも絶妙。対話できるクルマというのは(ブラッシュアップが必要と感じる面もあるけれど)新しい時代を感じさせてくれる。最も気さくなメルセデスは、オーナーに次世代自動車のあるべき姿を一足先に見せてくれるだろう。

ただ試乗してみた後、興奮して「よし!」と決意を固めたものの、価格を見た時点で我に返る人も多いかもしれない。従来型よりもエントリー価格も上昇しているのだ。

エントリーモデルのA180は328万円。だが、新型の売りであるMBUXのフル機能とSクラス同等の先進安全機能を望む場合、「レーダーセーフティパッケージ」と「ナビゲーションパッケージ」の合計42.9万円のオプション装着が必須となり、諸経費まで含めると400万円の大台にのる。さらに装備の検討を始めると、内容的に充実しているベース価格369万円のA180styleが前提になる可能性も高い。こちらもパッケージオプションの装着が必要なのは同様だ。

それでもAクラスが、最も現実的な価格で、メルセデスのおいしい部分を味わうことができるモデルであることは間違いない。これまでのメルセデス・ベンツは、AクラスやBクラスなどのコンパクトエントリーカーとCクラス以上には明確な境目を感じた。ところが、新型Aクラスは「Aでも良いじゃないか」という思わせるほどの成長を見せてくれたのだ。

大音安弘
 1980年生まれ、埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材している。自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がける。

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