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年間販売200万台も 「EV先進国」中国のすごさ実感

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NIKKEI STYLE

今や世界のEV(電気自動車)界をけん引しているといっても過言ではない中国。2017年のバッテリーEVやプラグ・イン・ハイブリッド(PHV)を含む新エネルギー車(NEV)の販売台数は77.7万台、18年には125.6万台にまで伸びた。世界最大のEV大国となる一方、大都市でのEVへの登録優遇や補助金の効果も大幅な成長に寄与しているという話も。中国EVの将来は本当にバラ色なのか? 20年にわたりEVを研究している中国・清華大学の仇斌(Qiu Bin)准教授に小沢コージ氏が話を聞いた。

◇  ◇  ◇

小沢コージ(以下、小沢) 早速ですが、気になっているのは中国のEV普及事情です。確かに今の中国は世界最大のEV消費国ですが、さすがに19年に本格スタートしたNEV規制(19年はメーカーごとに年間販売台数の10%をNEVにしなければならない)は厳しいのではないかと。おおざっぱに言って、中国では18年にクルマが3000万台弱も売れたわけだから、約300万台をピュアEV、PHV、もしくはFCV(燃料電池車)にしなければならない。FCV1台で数台分に換算するといった優遇はあるようですが、目標がちょっと厳し過ぎるような。

仇斌(以下、仇) 難しいと思います。

小沢 とはいえ18年だけでNEVを125.6万台も売ったのはビックリしましたし、さっき伺ったら大都市ではNEVの販売比率が約20%にも上るんだとか。19年はさらに上がっているらしいじゃないですか。それって本当ですか?

仇 実は今、大都市ではEVですら登録規制が始まっているのですが、その制限がなければまだまだ上がるんじゃないかと。

(編集部注:北京や上海など大都市では渋滞や公害対策としてガソリン車の登録を規制。ナンバー取得するには抽選をしなければならない。以前はEVの規制はなく優遇されていたが、現在はEVも登録が規制されている)

小沢 本当ですか。ということは中国の大都市ではさらに多くのNEVが売れる可能性があると。とはいえ、中国では大都市の登録規制と多額の補助金でEVが売れているイメージがあったんですが、EVの性能が向上して、もはや性能や価格でガソリン車と互角に戦えるようになってきている?

仇 その傾向はあります。

100万円のマイクロEVが売れている

小沢 具体的にお薦めの中国産EVを教えてください。

仇 BYDの「e5」、北京汽車の「EVシリーズ」です。日本円で200万円を切るくらいの価格ですから。

小沢 でも、それは補助金込みですよね?

仇 現在、NEV関連の補助金は減っていますので。それから、今は北京、上海のような大都市ではなく、もっと小さい都市で100万円ぐらいのEVがものすごく売れています。

小沢 もしかして、それって2人乗りの超マイクロEVのことですか。知豆みたいな。

仇 そうそう、それです。

小沢 ということは、1kWhのバッテリーの価格は中国で今いくらくらいですか?

仇 1200元、日本円で2万円くらいです。

小沢 20kWhで40万円か。やはり随分安くなりましたね。ということは、先生は2019年のNEVの売れ行きはどれくらいだと見積もっていますか?

仇 EV補助金は2019年で最後になりますので、駆け込み需要で200万台はいくかもしれません。

小沢 200万台! そりゃすごい。やっぱりEVは中国が当分リードするわけだ。

CATLのすごさは一体どこにある?

小沢 ところで、中国には「CATL(寧徳時代新能源科技)」という車載用リチウムイオン電池を作っている会社があるじゃないですか。今やパナソニックと並ぶ世界大手の一角で、日本のホンダも契約しているという。次世代の全固体電池(編集部注:従来の電池は電解質が液体で、蒸発・分解・液漏れの問題があった)の一部をすでに作り始めているかもという噂を聞いたのですが。

仇 ご存じの通りCATLはそもそも、日本の電子部品メーカー「TDK」をベースとしてできた会社で(編集部注:TDKが買収した香港の電池メーカーから車載部門が独立し、11年に創業)、現在、全固体電池の研究はしているようですが完成品はできていませんし、試作品もまだのようです。

小沢 既にパナソニックの電池の性能を超えているということはありますか?

仇 日本製の方が優れていますよ。既に商品化済みの成熟したバッテリーだったらそこまでの差はないんですが、新しい概念のバッテリーになると中国は遅れています。CATLは技術力の問題の前に生産コストが安いので、やはりそこが(強い)。

小沢 なるほど。正直少し安心すると同時に危機感も覚えますが、一方で韓国はどうですか。サムスンとかLGとか。

仇 これもバッテリーそのものの技術なら日本メーカーの方が高いんですが、それを商品化してまとめて売り出す技術は韓国でしょう。

小沢 なるほど。そこに関しては液晶パネルの時代と相変わらずの構図なんですね。個々の技術は日本が勝っているんだけど、商品化や巨大投資がヘタ。やっぱりここは、大胆なブレイクスルーが必要みたいで。

仇 いろいろ考えると、中国ではやはり将来的に20万元ぐらいのEVが中心になるんじゃないかと。

小沢 要するに大衆車クラスで、今より電池の性能がぐんと上がり、トータル性能でガソリン車に近くなったときってことですね。

仇 そうです。そのくらい(のレベル)になると中国本土からもラグジュアリーブランドが出て結果も見えてくると思います。

小沢 確かにバッテリー容量が50kWh以上で20万元のEVが、補助金抜きで買えたらすごいですよね。ところでそれって大体いつごろの話でしょう? 

仇 2023年以降。

小沢 なるほど。やはりEVが根本的に普及するのは、電池性能の進化や価格次第ってことなんですね。

小沢コージ
 自動車やスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、「ベストカー」「時計Begin」「MonoMax」「夕刊フジ」「週刊プレイボーイ」、不定期で「carview!」「VividCar」などに寄稿。著書に「クルマ界のすごい12人」(新潮新書)「車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本」(宝島社)など。愛車はロールス・ロイス・コーニッシュクーペ、ホンダ・シティ・カブリオレなど。

(編集協力 北川雅恵)

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