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元外務省職員ハマッたタイの味 東京ドームの店で再現

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NIKKEI STYLE

「タイ料理研究所」――およそレストランとは思えない名前の店が話題を呼んでいる。2019年3月15日に東京ドームシティ内の新スポットにオープンしたタイ料理店だ。カラフルな店内はまるでタイの屋台の雰囲気。でもなぜ「研究所」という名前なのか? 一体どんな店なのだろうか?

JR水道橋駅西口から橋を渡るとすぐに見えてくる「黄色いビル」エリア。かつては競馬の馬券売り場だった場所だ。この3月、JRAオフト後楽園がビルの上階に移転したことに伴い、ここ東京ドームシティ南西玄関口が新装された。新しくオープンしたのは「Hi!EVERYVALLEY(ハイ!エブリバレー)」という名前の飲食店エリアだ。ビルの谷間の通路部分にコーヒーやクレープなど手軽な食べ物や飲み物をテークアウトできる売店やレストラン6店が並ぶ。「タイ料理研究所」はこの「Hi!EVERYVALLEY(ハイ!エブリバレー)」の一角にオープンした。

カラフルな色彩の店内に入ってみよう。タイの三輪タクシー「トゥクトゥク」や本物のタイの屋台、タイ国内で買い付けした雑貨や絵画がディスプレーされ、タイ語のラジオが流れる店内は、本場タイ本国の屋台を思わせるなんとも楽しい雰囲気だ。セルフサービス方式ながら、味はタイの味を再現した本格派。なぜならキッチン内は全員がタイ人、本物の味を知り尽くしたタイ人シェフが腕をふるうからだ。タイのホテルで経験を積んだシェフも在籍し、ガパオやパッタイ、トムヤムクン、タイ式カレーなど、定番メニューもそろっている。

「タイ料理研究所」を経営するのは都内にタイ料理店15舗を展開するSUU・SUU・CHAIYOO(スー・スー・チャイヨー)。代表取締役の川口洋氏はなんと元外務省職員だ。アラビア語の専門家として、在シリア日本国大使館、在オマーン大使館など中東諸国で勤務したのちに、タイ料理店を始めた異色のキャリアを持つ。きっかけは中東勤務中にタイ人たちと出会ったことだった。タイの人は明るく優しく、ポジティブな人が多いという。中東の張りつめた雰囲気の中でタイ特有の明るさに魅了された川口氏は、タイの魅力を発信する店を作りたいと考え、外務省を退職してタイ料理店を始めるに至った。

「タイ料理研究所」で本場仕込みのタイ料理を提供できるのには理由がある。従業員の7割はタイ人で、コックは100%タイ人だという同社では、タイからやってきたスタッフが日本国内で働き続けやすいように会社ぐるみで様々な取り組みを行っているのだ。まず日本で働くにはビザが必要なので、同社がビザの取得からサポートする。またコックとしてビザを取得するにはタイ国内で5年以上コックとして働いている必要があるため、ビザを取得できたコックは熟練コックだということになる。ただしコックのほとんどは日本語が分からないという。そのため、日本で暮らすに当たって言葉や生活面が問題となる。

そこで同社では住む家の手配、布団など生活用品の準備などのサポートを行い、タイ人スタッフが日本で生活する上での不安をなくすように努める。もちろん役所の手続きにも付き添い、万が一病気になったときには病院にも同行する。レシピや社内の書類はすべて日本語版とタイ語版を作り、わかるように共有する。このように働きやすい環境づくりに力を入れているので、同業他店にくらべて離職率はとても低い。

こういった取り組みが評価され、同社は第26回「優良外食産業表彰事業 新規業態・人材開発部門食料産業局長賞」や「はばたく中小企業小規模事業者300」にも選ばれた。タイ人スタッフの生活面を会社ぐるみでサポートする体制が整っているからこその本場の味なのだ。

ところで「タイ料理研究所」の名前にはどんな意味があるのだろうか。「タイ料理研究所」の1号店は2015年に渋谷駅近くにオープンしているのだが、その前に0号店というべき店舗があった。実は同社の本社がある目黒区駒場にレシピを開発するための小さなスペースから出発した店があったのだ。ここはもともと店で出す料理を研究するためのスペースとして使われ、「日本の旬の食材を使ったおいしいタイ料理ができないか」など、日々レシピ開発が行われていた。「文字通り研究所(ラボ)のような場所でしたね。そのうちに学生相手にランチ営業をするようになったのですが、住宅街のためタイ料理特有の匂いが気になるようになり、渋谷に移転しました。店名は小さいスペースで日夜タイ料理の研究にいそしんでいた0号店にちなんで名づけられました」(SUU・SUU・CHAIYOOの木下明香さん)。

その後1号店がテレビ番組に取り上げられたことで人気が上昇。ここ東京ドームシティが2店目の出店となる。3月17日には東京ドーム内に系列店の「クルン・サイアム 東京ドーム店」が売店としてオープンした。店のある場所はもともとグッズ販売スペースだったが、女性客の利用を増やしたいという狙いを受けての出店だ。キッチンスペースの関係上、仕込みはどちらも「タイ料理研究所」で行う。そのため「クルン・サイアム 東京ドーム店」でテークアウトメニューを利用した場合も本格的なタイ料理が楽しめる。

では「タイ料理研究所」のお薦めメニューをご紹介しよう。まずは日本でも知名度の高い「ガパオライス」を。鶏ひき肉のバジルいためをご飯にのせたもので、タイの屋台や食堂でも人気ナンバーワンの国民的メニューだ。バイガパオ(タイのホーリーバジル)と一緒にいためたピリ辛鶏ひき肉がご飯にとてもよく合う。タイの目玉焼きは揚げ焼きしてあり周りがカリカリしているのがポイントで、半熟の黄身を混ぜながら食べるのがタイ風だ。

「カオマンガイ」はタイ風ゆで鶏炊き込みご飯。たっぷりのパクチーで炊き込んだフワーッと香り高いご飯の上にゆで鶏をのせ、辛みそソースでいただく。日本でも大人気の「ポピアソット」は驚くほどもちもちの皮でたっぷりの具材を包んだ生春巻き。サラダとしても酒のお供としてもおいしい。「パッタイ」はエビ入りの焼きビーフン。タイの定番フルーツであるタマリンドが入っていて、ほんのり甘酸っぱい。

「ヤムウンセン」はエビやイカの入った海鮮春雨サラダ。ナンプラーやパクチーの風味が合わさった上に、スパイスがきいて本格的な辛さだ。料理の辛さは現地と同レベルだが、辛いものが苦手な方もご心配なく。辛さの度合いを示すトウガラシマークがメニュー表に記されていて、好みにあわせてメニューが選べるようになっている。また注文時に「辛さ控えめで」とオーダーすることもできる。

調味料を足して好みの味付けで食べたいときは、タイ料理店ではおなじみの調味料セット「クルワンプルーン」を使おう。「クルワンプルーン」には4つの調味料が備え付けてある。コクを増すには「ナムターン」(砂糖)を。「プリックポン」(粉トウガラシ)は辛みを増したいときに。辛くないトウガラシと酢で作った「ナムソムピッチファー」は酸味を足してサッパリしたいときに。「プリックナンプラー」は辛いトウガラシ「ピッキーヌ」をナンプラーにつけこんだ調味料で、塩辛さを足したり味を濃くしたりするときに使うとよい。

タイ料理初心者の人にはランチセットメニューをお薦めしたい。パッタイ、カオマンガイ、グリーンカレーなど代表的なメニューがそろっていて、生春巻きもセットでついてくるので、はじめての人でも試しやすい。またタイ料理店には珍しく辛くない「お子様セット」や「お子様タイラーメン」もあるので、小さい子供連れでも安心して入店できる。 ディナーはお酒を飲みながら、おつまみやサラダを味わうのがお薦めだ。店内には立ち飲みコーナーもあり、ちょっとだけつまんで飲みたいというシーンでも利用できる。さらに全品テークアウトも可能だ。

4月末まではユニークなオープン記念キャンペーンもある。タイ人とともに店を訪れた人にはタイのスナック1袋がプレゼントされ、タイ語で注文した人にはパクチーが大盛りになるというものだ。たとえば「ガパオひとつください」と注文するなら、女性なら「コー ガパオ ヌン カー」、男性ならば「コー ガパオ ヌン カップ」と言えばよい。辛くしてほしいときは「ペッペッ」、辛さ控えめは「ペッノイ」、辛くないは「マイペッ」と言うそう。ぜひともタイ語での注文にチャレンジして、大盛りパクチーをゲットしてみてほしい。

春から夏にかけてはスポーツ観戦やコンサート鑑賞が楽しい季節がやってくる。東京ドームを訪れたら「タイ料理研究所」へ。本場の味を支える背景を知れば、なお一層おいしく味わえるだろう。

(日本の旅ライター 吉野りり花)

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