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副業で社会保険どうなる 働き方で差、年金保険料増も

2019/4/21

良男 フリーランスや自営業での副業だとどうなの?

幸子 社労士の小野猛さんは「副業の収入が雑所得や事業所得になる場合、厚生年金や健康保険は従来のまま、今の会社だけの加入になる」と話しているの。この場合、副業での報酬は厚生年金や健康保険の保険料にははね返らないので、2つの会社での加入に比べて保険料の総額は低くなるわね。

 自分で起業する場合は?

幸子 井戸さんによると「個人事業主は加入対象外だけど、法人をつくって代表者や役員になるなら原則、加入対象」よ。

良男 失業時に給付を受けられる雇用保険も、従業員として副業する場合は、同じように重複加入になるのかい?

幸子 雇用保険は週20時間以上の勤務なら原則、加入の対象だけど、重複加入はしないの。小野さんは「原則的に主な収入の事業所に1カ所だけ加入するので、今の事業所を引き続き選べば雇用保険料は変わらない」と指摘するわ。

良男 業務上のけがや病気で補償を受けられる労災保険ってのもあるな。

幸子 労災保険は従業員は原則全員加入で、勤務時間などの条件もないわ。だから副業先でも通常は重複加入よ。労災の保険料はもともと全額が事業主の負担だから、自分では保険料を払わないことは変わらないの。ただ給付はケガなどが発生したほうの事業所の報酬に基づくので、報酬が低い副業先のケガなら十分な補償が受けられない可能性があるわ。

■健保、条件よい事業所を
特定社会保険労務士 篠原宏治さん
厚生年金や健康保険では所属選択・二以上事業所勤務届でメインの加入先を報酬の多寡にかかわらず自分で決められ、保険料や給付は選んだ事業所の条件が適用になります。厚生年金は原則どこも同じですが、健康保険は事業所で異なるので条件がいいほうを選ぶのも手です。
例えば、主に中小企業の社員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)は保険料が事業主と折半ですが、大企業に多い健康保険組合は従業員の負担比率が一般に低いことも多くみられます。労使合計の保険料率も協会けんぽの平均より低い組合が多いです。受給時も健保組合は高額療養費制度の上乗せ給付で、月の自己負担の上限額が2万~3万円で済むケースもあります。ただ、中には協会けんぽより条件が悪いケースもあるので事前によく調べてください。
(聞き手は編集委員 田村正之)

[日本経済新聞朝刊2019年4月17日付]

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