副業で社会保険どうなる 働き方で差、年金保険料増も

 適用される事業所なら、全員が加入するの?

幸子 勤務時間などにもよるわ。原則的に週30時間以上の勤務なら加入対象よ。ただ、週30時間未満でも、16年秋以降は(1)501人以上の会社(2)所定労働時間が週20時間以上(3)賃金が月8.8万円以上――などの条件を全部満たせば加入することに制度が変わったわ。

良男 それでも週20時間以上か。副業とはいえ、そこそこ長い時間なんだな。

幸子 制度変更によって厚生年金や健康保険の対象になりうる人は増えつつあるわ。パーソル総研の調べでは、副業をしている人の14%が週20時間以上、働いているのよ。

良男 副業でも厚生年金や健康保険の対象なら、本業との重複加入になるな。具体的な手続きや、社会保険料の変化は?

幸子 会社任せではなく自分がやらなければならない手続きとして、社会保険労務士の井戸美枝さんは「どちらかメインとする事業所を選び、その事業所を管轄する年金事務所に自分で『所属選択・二以上事業所勤務届』を出す手続きが必要」と話すわ。副業の事業所も年金・健保の対象なのにこの届を出さないと罰則があるわよ。

良男 その後は?

幸子 両方の事業所の報酬を合算した金額を基に両社の合計の保険料が計算され、事業所ごとに報酬の比率で案分された保険料を払うの。例えば、A社の報酬が30万円、B社が20万円なら、A社では合計の保険料の5分の3を、B社では5分の2を原則、労使折半で払うのよ。

 なんだかややこしい。その結果、今の会社での保険料が変わってくることもあるわね。

幸子 社労士の篠原宏治さんは「届を出した結果、保険料改定の通知がそれぞれの会社に送付されるので、副業は会社に知られる。副業が禁止されていないか就業規則などで確認しておくことが大事」と話すわ。