東京のスタバ高級店 各国店舗とデザインを比べると…

日経クロストレンド

キャスクと天井で大きな違い

店舗内のインテリアでアイコンとなるのは、いずれもキャスクと天井になっているようだ。それが各国にある店舗の大きな違いにもなっている。上海店のキャスクの場合は、中国をイメージさせる篆刻(てんこく)をモチーフにしたデザインが描かれ、天井はそれぞれ異なる形状のパネルでつくられている。ミラノやニューヨークの店舗でも、キャスクや天井に特徴がある。

中国・上海にある店舗の内部。17年12月にオープンした。米シアトルに続き2店舗目になる。天井はそれぞれ形状の異なるパネルを使用している
キャスクには篆刻(てんこく)をモチーフにしたデザインを描いている
伊ミラノの店舗の内部。18年9月に誕生。インテリアやキャスクに明るい色を採用しているのもミラノという街を象徴しているようだ
キャスクが開くようになっており、裏側にイタリアの赤を表現している
米ニューヨーク店の内部。18年12月にオープン。天井を四角で構成しており、ニューヨークの碁盤目のような街並みをイメージさせる
米ニューヨーク店のキャスク

東京の店舗も同様だ。内部に入ると、焙煎機の姿の他、世界の同型店でも最も巨大なキャスクが目に入る。4階まで届く高さ約17メートルの赤みを帯びた銅板製のキャスクには、表面に職人が1枚ずつ手作業で仕上げた「桜の花びら」が施されている。日光によって、その色合いが刻々と変わっていくという。

巨大なキャスクは槌目(つちめ)仕上げでつくられたもの。建設に関わった人々が自ら銅板をひと打ちし、表面の質感や模様を作り上げたという。店舗の目の前にある目黒川をキャスクに見立て、春に桜の花びらが目黒川を舞うシーンをイメージさせている。ミラノやニューヨークといった店舗のキャスクが武骨に見えるのに対し、日本ならではの繊細さが漂うようだ。

天井は日本の伝統である「折り紙」をモチーフにした。明るい色合いの木材が使用されている。これも他の店舗では鉄骨をむき出しにして特徴を出す例が多いなか、日本の職人芸と伝統を生かしているようでユニークといえそうだ。

(日経クロストレンド 大山繁樹)

[日経クロストレンド 2019年4月8日の記事を再構成]