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ラーメン官僚 オススメの一杯

昭和ノスタルジーを味わう 都内の正統派ラーメン3店

2019/4/19

「中華そば梟」の「中華そば+懐かしの固ゆで玉子」

中華そば梟(ふくろう)

<実力店で研さんした店主による正統派中華そば。研ぎ澄まされた味わい>

3軒目に紹介するのは、大田区東矢口の「中華そば梟」。店主・永田氏は数々の実力店でじっくりと腕を磨いた実力派だ。

そんな永田店主が各店舗での修業を終え、更に各地で間借り営業を重ねた後、18年6月、晴れて一国一城の主となった。

そんな「中華そば梟」が提供するのは、「中華そば」「辛いそば」の2種類のみ。もちろん、最初に召し上がっていただきたいのは、看板メニューである「中華そば」だ。

スープの主役は鰺(アジ)の煮干し。店に足を踏み入れた瞬間から、甘美な芳香が嗅覚を刺激。ひとすすりで味覚が打ち震えるほど豊潤な煮干しだしは素材の持ち味を究極まで生かした絶品だ。そんな煮干しだしに、絶妙なさじ加減で鶏だしの滋味を添え、地に足がついた骨太な味わいを創り出す。付け焼き刃ではないギミックが確実に好印象を刻み込む。

店内は煮干しの香りで満ちている

店主の視線は味のみならず、その先をも見据える。「提供するラーメンにテーマ性を持たせてみようと考えたんです」。熟慮の結果、テーマを「時代が変わっても変わらない1杯」と定め、ノスタルジーを引き起こすトッピングとして「麩(ふ)」と「ミョウガ」、有料トッピングとして「固ゆで玉子(たまご)」を採用。スープをタップリとたたえた麩をかみ締め、甘辛い下味が黄身の奥深くまで染み込んだ玉子をかじる。途切れることのない上質なうま味の波状攻撃を前に、図らずも至福のため息を漏らしてしまった。

「もちろん、これが完成形ではありません。スタンダードの極みを目指し、どんどん味をブラッシュアップしていきますよ」と、笑う店主。これまでに店主が習得してきた知識と技術のストックは膨大で、自信を持ってオススメできる優良店だ。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。

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