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back numberが語る新境地 満たされない思いを歌に

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NIKKEI STYLE

日本の音楽シーンを代表するバンドとなったback number。2016年のベストアルバム『アンコール』が80万枚を超える大ヒット&ロングセラーとなり、18年に開催したドームツアーも超満員で会場全体が感動と熱狂の渦に包まれた。3月27日に発売した6枚目のアルバム『MAGIC』は名曲が並ぶ充実作であると同時に、新境地を切り拓いた攻めの作品で、オリコン週間アルバムチャートで2週連続1位に輝くなど、ヒット中だ。彼らに新アルバムの魅力を聞いた。

――ベスト盤はありましたが、新作は3年3カ月ぶりです。間隔が空いたのはどうしてでしょう?

清水依与吏 別にサボっていたわけではなくて、単純に自分たちの納得のいく作品をじっくり丁寧に作っていったら、これくらいの時間がかかったということなんですよ。感覚としてはそんなに間があいた感じはしてなくて。常に何かやっていましたから。

小島和也 ツアーも毎年やっていましたし、シングルもコンスタントに出していましたしね。

――新たな段階に突入したアルバムという印象も受けました。

栗原寿 アルバム制作の最終確認で頭から最後まで通して聴いたんですが、ずっとワクワクドキドキしていたんですよ。自分たちで作った作品なんですが、おっ、こんなことをやってくるのか、これもあるのかって(笑)。学生の頃に好きなアーティストの新譜を聴くのに近い感覚がありました。

清水 俺らは飽きっぽいというか、同じことをやるのが苦手なバンドなんですよ。活動していると、もっとああしたい、こうしたいというのが自然に出てきてしまう。今回のアルバムって、恋愛の歌が半分くらいしかないんですが、俺らとしてはかなり異例ですよね。

――意図してそうしたんですか?

清水 前作『シャンデリア』(15年)を作った時に、これでは狭すぎるなあと思ったんですよ。今後もラブソングを歌っていくならば、back numberのラブソングと言えるものの定義をもっと広くしていくべきだなって。今回は自分と向き合う時間が長かったです。

『瞬き』からスタートした

――確かに失恋や片思いだけでなく、自分を許容し肯定する根源的な愛、ヒューマンな愛、友情など、様々な形の愛を歌っています。

清水 自分と向き合う中でまず出てきたテーマが"価値"だったんですよ。俺には価値があるけど、あの人にとっては価値がないってことが当たり前にあるわけで、「価値ってなんだろう?」って、ずっと考え続ける中で最初に出来た曲が『瞬き』でした。自分にとって価値のあるものに人生を費やしていきたいわけで、大切な人とずっと一緒にいたいというところから、こういう歌詞が生まれた。この曲からこのアルバムがスタートしたとも言えると思います。

――ここまで深く踏み込んだラブソングはそうはないと思います。

清水 地味な曲になるかなと思ったんですが、小林武史さんのアレンジのおかげもあり、演奏隊の頑張りもあり、アルバムの中に入ると、謎の華やかさがありますね。

小島 この曲って、ライブでもそうなんですが、演奏するたびに緊張するんですよ。自分たちが試される曲というか。考えるべきことはたくさんあるんですが、考えすぎてしまうと、小さくなってしまう。そのバランスが難しいです。

栗原 後半になるほど熱量が上がっていくので、歌に負けずに、自分たちの熱量も上げなきゃいけない。歌に対して、そうだよね、こう思うよねって、一緒になって熱を帯びていく感覚がありました。

『MAGIC』には音楽的な成長はもちろん、メンバーそれぞれの人間的な成長も刻まれている。バンドが大きな存在となる過程で、心境の変化はあったのだろうか?

清水 正直に言うと、『シャンデリア』ぐらいから、怖さはあったんですよ。褒められたら、次の作品をどうしようって不安になるし、けなされたら、なんでだよ! ってムキになってしまうし。俺らは下積みが長いんだ、いつでもかかってこいや! っていう心構えをしていたつもりなんですが、いざ、それなりに目立つ立場になってみると、動揺したり、混乱したり、居心地の悪さを感じたり。でもドームツアーをやって、何万人もの人と同じ空間を過ごしたことで、次のステージが始まったんだなという実感を持てたのが大きかったですね。今よりも良い瞬間があるはずだと信じて進むのは勇気のいることなんですが、このまま終わるのは嫌だな、全然やりきれてないなという気持ちのほうが強かった。

小島 個人的なことですが、バンドを始めた頃に抱いていた夢が去年全部叶ってしまいまして。LUNA SEAと同じステージに立ちたい、かつてLUNA SEAを見たドームでライブがやりたいというのが夢の内容なんですが、去年、「LUNATIC FEST. 2018」に出させていただいて、しかも同じステージでJさんと一緒にベースを弾くことが出来たし、ドームライブも実現してしまった。でも、夢が実現したからこそ、これまで自分のためにやってきたところから意識が切り替わって、聴いてくれる人のために良い音楽を作っていこうという気持ちが強くなってきたんですよ。今までだったら、俺はこのフレーズが弾きたいんだ、譲れないんだって思っていたのが、いや、それよりも音楽としてもっといいものがあるかもしれないって追究出来るようになってきた。

栗原 僕が感じているのは少しだけ視野が広くなったかなってことですね。『シャンデリア』までは曲を良くするにはどういうアプローチがいいんだろうって、1曲1曲向き合って必死に集中してやっていたんですが、今回は、前はこんなアプローチをしたから、今度はこういうことをやったら面白いんじゃないかとか、ライブでやったら、こういう感じに出来るんじゃないかとか、もっと先の絵を想像出来たり、実験的なアプローチを試せたり、リズムの解釈が自分の中で広がった気がします。

「俺達、こういうのが好きだからさ」

――1曲目の『最深部』でもバンドサウンドの魅力が全開です。

清水 かっこいい曲がほしいと思って、作ったんですよ。インディーズの頃のギターロックの自分たちに戻ったんじゃないかって思われるかもしれないですが、「俺達、こういうのが好きだからさ」というものを今、素直に出せるのがすごくうれしいですね。

栗原 自分たちのやりたいことを今の最大限の力を発揮して形に出来ました。テレビでしか僕らを知らない人が聴いてたら、おおっ!と驚いてくれると思うし、ライブを見ている人たちは、これこれ!って喜んでくれると思います。

――「最深部」という言葉にも端的に表れていますが、歌詞は自己との対話を象徴する内容ですね。

清水 サビのフレーズがすっと出てきたんですよ。前だったら、ひねりだして、ひねりだして作ることが多かったんですが、これしかないな、こういうことが書きたかったんだなって。

――『あかるいよるに』は「魔法」という言葉もあるし、アルバムのタイトル曲と言えそうですね。

清水 『MAGIC』という言葉にたどり着いてから歌詞を書いているので、意識しているところはありますね。価値というものは心の中にあって、どう光るかはその角度によって決まる、みたいな話だと思って書きました。

――ラストに『大不正解』が来る曲順もアグレッシブです。

清水 アップテンポの曲で始まり、アップテンポで終わるのもいいかなあって。『HAPPY BIRTHDAY』の次が『大不正解』という並びもすごいですよね。『シャンデリア』を作った時に、振り幅の広さはこれ以上のものはないなと思ってたんですが、さらに広くなった。『MAGIC』に比べたら、『シャンデリア』はまとまりがあるよね(笑)。

小島 そう思う。

――『MAGIC』という言葉はどういうところから出てきたんですか?

清水 最初は"価値"という言葉と向き合っていたので、『価値について』というのがタイトルの候補だったんですが、地味だし硬いなって。単純にもっとワクワクしたかったんですよ。じゃあ、このアルバムのポジティブな側面、キラキラしたところはなんだろうって考えた時に『MAGIC』という言葉が出てきました。

身近なことを大切にしたい

様々な楽曲のあちこちに魔法のようなきらめきが詰まっている。収録曲の幅の広さとバンドの可能性の大きさは比例しそうだ。アルバムが完成した今、音楽シーンやバンドの今後について、どう考えているのだろうか。

清水 シーンをけん引していくんだとか、そんな意識はまったくないですね。俺らなんかよりも、もっと支持されている方々はたくさんいますしね。仮にこの新作が200万枚売れたとしたら、一瞬混乱するとは思うんですが、どんな状況になっても、自分の中の満たされない思いはあるし、今のところ、三者三様、自分たちが一番ガッツを出せるところにシフトしていけているので、大丈夫かなと。自分たちのやりたい音楽をやりたいように追究していくだけですね。

小島 夢は叶ったんですが、演奏はまだまだ足りないところがいっぱいあると自覚しているので、精進していかねばと思っています。

栗原 身近なことを大切にしたいんですよ。スタジオに入った時に、「リズムが良くなったね」とか「そのフレーズいいじゃない」って2人に言ってもらえることのほうが自分にとっては喜びなので。

清水 ポジティブなのか、ネガティブなのか、よく分からないんですが、やればやるほど、どんどん納得出来なくなっている自分たちがいるんですよ(笑)。

(ライター 長谷川誠)

[日経エンタテインメント! 2019年4月号の記事を再構成]

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