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back numberが語る新境地 満たされない思いを歌に

日経エンタテインメント!

2019/5/10

日本の音楽シーンを代表するバンドとなったback number。2016年のベストアルバム『アンコール』が80万枚を超える大ヒット&ロングセラーとなり、18年に開催したドームツアーも超満員で会場全体が感動と熱狂の渦に包まれた。3月27日に発売した6枚目のアルバム『MAGIC』は名曲が並ぶ充実作であると同時に、新境地を切り拓いた攻めの作品で、オリコン週間アルバムチャートで2週連続1位に輝くなど、ヒット中だ。彼らに新アルバムの魅力を聞いた。

左から、栗原寿(ドラム)、清水依与吏(ボーカル&ギター)、小島和也(ベース)の3ピースバンド。2007年に現在のメンバーとなり、11年4月、シングル『はなびら』でメジャーデビュー。19年は全国18カ所36公演のアリーナツアーを開催する

――ベスト盤はありましたが、新作は3年3カ月ぶりです。間隔が空いたのはどうしてでしょう?

清水依与吏 別にサボっていたわけではなくて、単純に自分たちの納得のいく作品をじっくり丁寧に作っていったら、これくらいの時間がかかったということなんですよ。感覚としてはそんなに間があいた感じはしてなくて。常に何かやっていましたから。

小島和也 ツアーも毎年やっていましたし、シングルもコンスタントに出していましたしね。

――新たな段階に突入したアルバムという印象も受けました。

栗原寿 アルバム制作の最終確認で頭から最後まで通して聴いたんですが、ずっとワクワクドキドキしていたんですよ。自分たちで作った作品なんですが、おっ、こんなことをやってくるのか、これもあるのかって(笑)。学生の頃に好きなアーティストの新譜を聴くのに近い感覚がありました。

清水 俺らは飽きっぽいというか、同じことをやるのが苦手なバンドなんですよ。活動していると、もっとああしたい、こうしたいというのが自然に出てきてしまう。今回のアルバムって、恋愛の歌が半分くらいしかないんですが、俺らとしてはかなり異例ですよね。

――意図してそうしたんですか?

清水 前作『シャンデリア』(15年)を作った時に、これでは狭すぎるなあと思ったんですよ。今後もラブソングを歌っていくならば、back numberのラブソングと言えるものの定義をもっと広くしていくべきだなって。今回は自分と向き合う時間が長かったです。

■『瞬き』からスタートした

――確かに失恋や片思いだけでなく、自分を許容し肯定する根源的な愛、ヒューマンな愛、友情など、様々な形の愛を歌っています。

清水 自分と向き合う中でまず出てきたテーマが“価値”だったんですよ。俺には価値があるけど、あの人にとっては価値がないってことが当たり前にあるわけで、「価値ってなんだろう?」って、ずっと考え続ける中で最初に出来た曲が『瞬き』でした。自分にとって価値のあるものに人生を費やしていきたいわけで、大切な人とずっと一緒にいたいというところから、こういう歌詞が生まれた。この曲からこのアルバムがスタートしたとも言えると思います。

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