合羽橋「台所番長」が斬る パン切り包丁の逸品5選合羽橋の台所番長が斬る! いまどきの料理道具を徹底比較

日経トレンディネット

ハードブレッドは波刃の角度が重要

ハードブレッドをスライスするときは、ソフトブレッドほど力の入れ具合に気をつける必要はありませんが、刃の入れ方によっては、まな板の周囲にパンくずが飛び散るので、掃除が大変。また、パンの表面が硬いので切るたびに亀裂が入ってしまうこと。これらのポイントをクリアしたのは、ビクトリノックスでした。

1位:ビクトリノックスは圧倒的なスムーズさ

柄に指をしっかりかけることができるようになっているため、安定して持てる。刃の波型は緩やかだけどひとつひとつが鋭く研いであるのでスムーズ。パンくずはほとんどなし

5本の中で刃の先端まで波刃になっていたのはビクトリノックスだけでした。この先端の波刃がハードブレッドに最適。どんなに硬いパンでもスーッとナイフが刺さるのでスライスしやすいのです。そのスムーズさは圧倒的でした。

2位:サンクラフトは万能選手

波刃の荒い部分と細かい部分があることで押し切り、引き切りがスムーズ。パンくずもほとんどなし

食パンで1位だったサンクラフトはハードブレッドでもスムーズな万能選手でした。ビクトリノックス同様に、持ち手の安定感が切りやすさの大きなポイント。力が入れやすく、波刃の粗い部分と細かい部分の配分もちょうどいいようです。

3位:吉田金属工業の両刃はハードブレッド向き

滑らずに刃はパンに入ったが最初は少しつぶれ気味になったのでパンくずが飛び散った

吉田金属工業のGLOBAL-ISTは食パンではあまりいい結果が出ませんでしたが、ハードブレッドには向いているようです。パンくずは飛び散ったのですが、断面はきれいでした。

4位:アーネストは力が必要

食パンのときは柄が刃よりも上に付いていることで切りやすかったのだが、ハードブレッドにはその形状が難点に。力を入れないと切りにくかった。ただパンくずはほとんどでなかった

食パンのときに比べて、ハードブレッドを切るときには力をかけないと刃が入っていきませんでした。

5位:庖丁工房タダフサは滑りやすくてハードブレッドには不向き

とにかくよく滑る。パンくずは少なめだったがハードブレッドには不向き

とにかく滑って切りにくい。波刃が先端に少ししかないことが、かえってハードブレッドを切りにくくしているようにも感じました。また、刃に鋭さがないので入っていかないのも残念。

結果的に、食パンなどのソフト系にはサンクラフトが最適。ハードブレッドにはビクトリノックスがいいでしょう。総合的には、サンクラフトが優秀。波刃がこまかいので、どんなタイプのパンにも刃が入りやすいのだと思います。庖丁工房タダフサは残念ですね。刃付けがもう少し鋭かったら違う結果になっていたかもしれません。(談)

パン切りナイフ選手権結果
ソフトブレッド部門優勝:サンクラフト「せせらぎ」
ハードブレッド部門優勝:ビクトリノックス「ブレッドナイフSP」 
総合優勝:サンクラフト「せせらぎ」

(文 広瀬敬代、写真 菊池くらげ)

[日経トレンディネット 2019年2月7日付の記事を再構成]

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