2019/4/20

■イタリア流ジャッカジャケットとは

「もともとイタリアではベスパやオープンカーに乗る人が、腕周りが動かしやすく暖かいアウターとして支持してきました。これにクラッチバッグやブリーフケースを持って会社に向かうのがビジネススタイルなんです」

ブルネロクチネリの2019春夏はギャッツビースタイル「色の強弱をつけない淡いトーンでまとめます」と話す今井利一さん

――機能性とファッション性を兼ね備えた、イタリアならではの着こなしですね。

「毎年イタリアに行きますが、イタリア人のスーツの楽しみ方をもっと提案したいですね。コンビネーションアイテムをどう引き入れるか、これが、とてもうまいのです。たとえばローゲージのニットジャケット。こちらはライトグレーで非常に軽いものです。ブルネロクチネリの2019春夏は1920年代のグレート・ギャッツビーの世界を表現しています。エレガンスにスポーツやカジュアルの要素が加わったもので、色合わせもあまり強弱をつけない、自然でやわらかな色調です」

――今、スーツ市場は低調で、カジュアル化が進むにつれて一段と先細る恐れがあります。

「既製のスーツが落ち込む一方で、自分の体形や嗜好に合うスーツを求める傾向が強まっています。うちでも18年からメード・トゥ・メジャー(MTM)という、これまでにないセミオーダーの対応を始めました」

■オーダーの生地は100種類以上

――ではMTMスペシャリストの今井利一さんにお聞きします。こちらでのオーダーはどのように進んでいきますか。

今井「既製服ではフィット感に限界がありますが、MTMでは体形にぴったりの仕立てが可能になります。100種以上の生地からスーツ、ジャケット、パンツ、ベスト、タキシードなどのオーダーを受注しています。既製服をベースにしていますし、体形はプロが判断するので採寸は15分から30分程度です」

ギャッツビースタイルの今井さん(左)は淡いトーンでまとめたジャケット&パンツスタイルにニットジャケットをはおった。引野さんは短めのスエードブルゾン。「ジャケットのすそが出るのがいいんですよ」

「デザイン選びやコーディネート提案など多くの時間を費やします。価格は既製服の3割増程度で、既製服ではダブルしかないジャケットをシングルに替えたり、といったことができます」

引野「これだけファッションが多様化している日本ですが、エグゼクティブ層であっても、スーツに関しては非常にコンサバだと感じています。ネクタイを締めて、スーツの上にはコート、といった型にはまった着こなしばかりです。でも、これからの時代、スーツはますます軽くなっていきますし、スポーティーな要素ももっと入り込んでくるでしょう」

「エグゼクティブの方が、そうした変化をうまく取り入れて、スーツを着ても若く見えるスタイルを体現してほしい。そうして若い世代に影響を与えていただきたいですね」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

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