女性活躍推進法3年 いまだ4割が「男性優位」感じる人材サービス会社が調査

女性の登用計画づくりを企業に義務付ける女性活躍推進法の全面施行から3年が経った。女性登用に関する実績データの公表など「実態の見える化」を進めた同法の影響で、企業の意識は大きな変化を見せている。半面、女性管理職を対象にした意識調査では、採用や昇進で「男性優位」を感じるとの回答がなお4割に上るなど、取り組みはまだ道半ばのようだ。

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調査は人材サービスのアデコ(東京・千代田)が課長職相当以上の女性管理職に対して2018年12月にインターネットで実施。550人から回答を得た。

女性活躍推進法が施行されたのは2016年4月。10年の時限立法で、従業員301人以上の企業に対し、女性登用について数値目標を含む行動計画の策定と公表が義務付けられた。また、対象企業は女性社員比率、男女の平均勤続年数の違い、女性管理職比率など、定められた14項目の中から1つ以上を選択して、数値を公表しなければならない。

昇進に「影響あった」4割

調査で、管理職への昇進への女性活躍推進法の影響について、16年以降に管理職になった119人に聞いたところ、「影響があった」との回答が4割を占めた。同法が女性の活躍状況の把握や課題分析などを企業に義務付けたことで、「影響を感じる管理職が一定数いることが分かった」(アデコ)。

アデコ調べ

一方、採用や昇進で男女差を感じることがあるかどうか質問したところ、「男女差はない」が50%、「男性優位」が43.6%とほぼ拮抗した。同法による企業の取り組みが、組織の風土を変えるには、いまだ時間を要するようだ。

今後の昇進を「希望する」との回答は全体の54.4%に上った。挑戦してみたい理由としては、「給与アップ」(47.8%)が最も多いが、「女性が活躍できる職場にしたい」(34.8%)、「女性管理職としてロールモデルになりたい」(32.1%)との回答も目立った。

アデコ調べ

キャリアのロールモデルやメンターが社内外に見つからないとの訴えるも多く、昇進がかなったとしても、女性が働きやすい職場が実現されているとは言い難い現状がうかがえる。

効果の半面、「数字ありき」の企業も

実際、企業側の意識や取り組みに変化はあるのだろうか。ワークライフバランスや女性活躍にくわしい三菱UFJリサーチ&コンサルティングの尾島有美副主任研究員は、「女性管理職比率は国の調査などでも緩やかではあるが増加しており、一定の効果が上がっている」とみる。

しかし、指標としての数字にこだわるあまり、同法の本来の趣旨にかなった取り組みができていない企業も見受けられるという。