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カルビーの会長兼CEOを退任すると発表した松本晃氏(左)と伊藤秀二社長(2018年3月27日、東京都千代田区)

カルビーの会長兼CEOを退任すると発表した松本晃氏(左)と伊藤秀二社長(2018年3月27日、東京都千代田区)

プロ経営者の松本晃氏は、2018年にカルビーの会長兼最高経営責任者(CEO)を退任した後、招かれて入ったフィットネスジム事業のRIZAPグループの要職からも1年で退き、新しい事業に乗り出す考えです。日本ではコーポレートガバナンス(企業統治)改革の進展で、トップ経験者が相談役や顧問として社長人事などに影響力を及ぼし続ける「長老ガバナンス」に厳しい批判が集まっていますが、松本氏の目にはどう映っているのでしょうか。今回は松本流の引き際の美学を語ってもらいました。

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RIZAP、自分の役割は果たした

このたびRIZAPの取締役を退任し、特別顧問に就くことになりました。RIZAPには18年に最高執行責任者(COO)として入り、急激なM&A(合併・買収)戦略に強くブレーキをかけました。M&Aをバネにした拡大路線に危うさを覚え、瀬戸健社長にその凍結を納得してもらった。その時点で僕のミッション(使命)は半ば終わったんです。

その後は代表権を返上し、経営構造改革担当の取締役として、不採算のグループ会社の整理・再生に取り組んできました。若い瀬戸さんを一流の経営者にしようという気持ちだったとはいえ、ガミガミとうるさく注文を付けるオヤジのような役回りです。きっとうとましく思ったことも一度や二度ではなかったでしょう。でも瀬戸さんは、聞く耳を持って、迷いながらも会社の再生に一生懸命取り組んでいる。今後は「優しいおじさん」としてつき合っていくつもりです。

6月の株主総会では、新しい取締役が選任され、瀬戸さんら経営陣を監督する新任の社外取締役が取締役会議長を務める体制に変わります。役割が重複しては意味がないから、僕は会社を離れます。ただ、瀬戸さんから「特別顧問に」と望まれたので、それだけは受け入れることにしたのです。

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