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ドラえもんは作れる 若き異才が崩す人とロボットの壁 ドラえもん研究者 大澤正彦さん

2019/4/17

「ドラえもんを作りたい」という言葉には不思議な力がある。単なる夢物語と片付けるのは簡単だが、多くの日本人の心を刺激する。大澤さんはここ数年、日本を代表する名だたる企業や団体での講演を頼まれることが多い。人工知能が発達して人間の仕事を機械が奪うというディストピア的な世界観ではない何かが、「ドラえもんを作る」というビジョンにはあるからだろう。

■みんなが認めてくれたら、それがドラえもん

では、どうすればドラえもんをつくれるのだろうか。大澤さんの定義は明確だ。「みんながドラえもんと認めてくれたら、それがドラえもん」。

こう定義することでドラえもんまでのアプローチは2つに絞られる。一つが4次元ポケットやどこでもドアなど、多くの人が「あったらいいな」と思う機能を実際に作ること。もう一つは、そうした機能がなくても多くの人が「ドラえもん」と呼びたくなるような魅力的なロボットをつくること。

大澤さんが目指しているのは両方のアプローチを適切に組み合わせること。ニューラルネットワークから人間の脳に近い人工知能を作る研究と、人間とロボットの親密な関係性を作り出すヒューマンエージェントインタラクションという研究を融合させていくことだという。

具体的には、「ドラドラ」しか言わないが、声のトーンなどを人間の側が読み取り、まるで親と赤ちゃんとの間でコミュニケーションが成り立っているような感覚になるロボットをベースに、実際のドラえもんにまでつなげていきたいという。

孫正義育英財団で

もはやドラえもん実現までのロードマップが引けたと明言する大澤さん。「もちろんあと数カ月とかでできるという意味ではないですよ」としながらも、数式に日々、落とし込んでいる段階だ。

これまでの意思決定は全て、ドラえもんを作ることに近づくかどうかで決めてきた大澤さん。「悩んだときにドラえもんに助けられながら、道を歩いている」。大澤さんの目にはドラえもんと一緒に歩く未来が確かに見えているのだろう。

(桜井陽)

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