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恥ずかしい母校→進学校へ 須磨学園、3代目の大改革 須磨学園の西泰子理事長に聞く

2019/4/21

改革への戸惑いや反発から辞めてしまった先生もたくさんいたが、心強かったのは「お手伝いしますと付いてきてくれた先生もいたこと」(西氏)。そのころ頑張ってくれた先生たちは、今も須磨学園を支える。

■裁縫女学校→女子校→共学→中高一貫へ

実際に男女共学に移行したのは99年。2004年には中高一貫コースも設置して進学校へと大きく舵(かじ)を切った。

高校駅伝で全国大会の常連となるなどスポーツも盛ん。生徒の健闘を示す盾やカップが飾られている

西氏は、改革の成否を分けるのは「すべては先生のモチベーション、つまり生徒を伸ばしてやろうという気持ちです」と話す。「今の子供たちは、学校や保護者から課題を与えられ、塾などの環境もあてがわれています。このため、ほとんどが自分で勉強できない。自分から動けない子をどう動かすかが、教師の力の見せどころです」という。

子供たちを将来に向けて動かすキーワードが「to be myself」だ。だれかの夢ではなく、「なりたい自分」になるために何をすべきか。これを考えるしかけの一つが、PM(プロジェクトマネジメント)・TM(タイムマネジメント)教育だ。02年に学園長に就任した兄、和彦氏が使ってきたビジネスのマネジメント手法を中高生向けに応用した。

将来の「大きな目標」に到達するには「小さな行動がいくつも必要」という発想で、「目標を達成するために何をすべきか」を書き出すのがPMだ。そしてTMで「いつそれをするか」をスケジュールに落とし込んでいく。毎週金曜の1時限目はPM・TMにあてており、中1から高3まで生徒全員がオリジナルのノートに翌週の計画を書くのだという。中学の新入生には「高校生が助言し、教師も全力でサポートします。そのうちにみんなPM・TMが書けるようになります」(土屋博文・高校校長)。

PM・TMのノートは担任が読み、生徒の関心の方向性や忙しさなどを確認する。その効果について、西氏は「生徒の関心にあった指導ができます。成績にブレがあった場合、『スケジュールが過密なせいでは?』などと原因を考えることもできます。担任の先生は1時間以上かけてチェックします」と話す。

■自主学習、夜9時まで残る生徒も

「塾いらず」という学習・進学指導も徹底している。放課後は「9時学」と称して、午後9時まで学校で自主学習できるようにしている。教師が交代で付き添い、「多いときは700人くらい残って、勉強しています」と土屋氏は話す。西氏は「学校帰りに塾に行くより、学校で全ての疑問を解決して帰ったほうがいいでしょう?」と明快だ。

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