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さまぁ~ず語る平成のお笑い ネタより個人の力で勝負

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さまぁ~ずのコンビ結成は、時代が平成に変わる直前の1988年、昭和63年。お笑い第三世代(とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン)と、ナインティナインに代表される第四世代の狭間の世代とされ、平成のバラエティ史の中でも独自の路線を歩んできた。2人に平成のお笑い界を振り返ってもらった。

三村マサカズ記憶はすごいおぼろげなんですけどね(笑)。平成元年は、まだ大竹さんと一緒に喫茶店でアルバイトしてましたし。ホリプロに入って、お笑いライブやるからコンビ名考えろって言われて、とりあえず「バカルディ」ってつけました。コンセプトも何もなかったですね。

大竹一樹 で、なぜかデビューしてすぐにレギュラー番組いただいてました。

三村 ネタ番組で優勝したご褒美がレギュラーだったのに、「行かなくていいか」って収録に行かなかったり(笑)。

大竹 久々に行ったら「来たのか!」「どういうこと!?」って(笑)。

三村 時代のせいにしちゃいますけど、当時のテレビって、そういう雰囲気だったというか、我々もバカですね(笑)。お笑い芸人の人数自体少なかった。とんねるずさんみたいに売れてる人は圧倒的に売れていて、苦労している中堅がいない時代だよね。

大竹 みんな、30歳までに売れなかったらやめるっていう意識でしたよね。それが今では、「売れるのは30歳になってから」と変わったような気がします。

93年には、ともに「お笑い界の若貴」と並び称されたホンジャマカとのコント番組『大石恵三』が初の冠番組としてスタートするが、裏番組はアポなし取材でバラエティ史にその名を刻んだ『進め!電波少年』(92年~)。あえなく半年で打ち切りとなり、しばらく不遇の時代が続く。

三村 環境が変わったのって、『ボキャブラ天国』(92年~)以降じゃないですかね。『ボキャブラ』って、芸人の名前と一緒に所属事務所の名前も出したんですよ。あれで、視聴者のみなさんも「どの芸能事務所に所属しているか」というのを意識し出した。

大竹 そこまで有名じゃなくても認知されるようになったと思います。まあ、オレら出てないですけどね(笑)。なんならトガりすぎてて、出演3回断ってますから(笑)。初回メンバーとして出演依頼があったときは、「そういう笑いじゃないんだよなぁ。出ません」って。

三村 次の機会のときも「そういうのは若手の仕事だろ? 出ねー」って。

大竹 お前らが若手だろ、って話なんですけどね。で、ブームになってから出てって言われたときは「今さら出られねー」と(笑)。

三村 純粋なお笑いにこだわりたかったんですかね。この時期、土曜昼間に放送していた旅番組『風まかせ 新・諸国漫遊記』(90年~00年)によく出していただいてたんですが、それは結構人気でした。

大竹 ひそかに最多出場者ですから。情報番組なのに「オレ、情報嫌いなんだよ」っていうディレクターが、どんどん面白いことやっていいぞって。でも好評だからって急に出演間隔を詰められて、来週も、またその次もってなったら、ディレクターが代わり、つまんなくなっちゃった(笑)。

三村 そう考えると、オレら自身でわざわざ自分たちを売れなくしてたのかもしれない。「そんなに仕事させるのやめてくれ、量より質だ」って(笑)。

大竹 三村さんなんて結婚してお金欲しかった時期なのにね。

三村 「お笑いの要素が入ってない番組ならやんねー」って生意気でしたね。今もそういう部分はあるかもしれないですね。しかも、どちらかがそうなんじゃなくて、2人ともそう。金なんかいらないって思っちゃう。いや、いるんですけどね(笑)。

大竹 バカですね(笑)。

ロケ番組の経験から得たもの

そして00年。『新ウンナンの気分は上々。』内の企画で、海砂利水魚(現・くりぃむしちゅー)と改名をかけた対決が行われ、バカルディはさまぁ~ずとして再出発することになる。さらにちょうどこの頃から、バラエティの潮目が変わっていったと2人は振り返る。

三村 コントやネタ見せよりも、ロケっぽい番組が増えていった気がする。素を出す、っていう。

大竹 しゃべりが注目されるようになったというか。自分の暴露話とかね。芸人個人の力。

三村 ネタが面白いだけじゃダメな時代に入ってきた。

大竹 『笑っていいとも!』に出していただいたのは大きかったと思います。

三村 04年からね。『いいとも!』って、やっぱり世界の中心、テレビの中心。あれで、地方のおばちゃんにまで顔が知られたと思う。

大竹 『いいとも!』の時も、出演依頼に「どうします? 出ます?」みたいなやりとりありましたよね。

三村 「30代で出るなんて恥ずかしくない?」って(笑)。でも、ああいう国民的番組に出られてよかったね。そうでなければ、オレら、精神がもっと卑屈になってたかも。

大竹 ようやく平常心で仕事できるようになれた感じですね(笑)。

『クイズプレゼンバラエティーQさま!!』(04年~)、『さまぁ~ず×さまぁ~ず』(07年~)、『モヤモヤさまぁ~ず2』(07年~)と、10年以上続く長寿番組が多いのもさまぁ~ずの特徴だ。近年、バラエティ、ひいてはテレビのあり方が加速度的に変化するなか、その存在はまれである。

大竹 いやいや、オレら一回も売れてないですから。バーン! って売れたことがない。

三村 いまだに視聴率20~30%取るようなヒット番組やってないし。

大竹 細く長く、"見つからないように"やってきた(笑)。だけど不思議なことに、街に出ると、だいたいみなさん『モヤさま』を知ってくれてるんですよね。視聴率20%の番組ではないんですけどね。

三村 我々は数字じゃなく、体感として番組の人気を知ってる。

大竹 街では20%の感覚(笑)。

三村 ロケで培われるものってあるんですよ。例えば、お笑いにもどんどんコンプライアンスが厳しく求められるようになってきました。オレらは、一般の人やお店とのやりとりの中で、お互いが嫌な気持ちにさえならなければ、それはオンエアとしてセーフだと思っている。そういう線引きの感覚も、ロケでの経験から身につきました。

大竹 切り取りや寄せ集めではない、"ライブ感"みたいなものは、やっぱり大切にしていますね。そして、楽しい現場で終わることも。いい番組って、出るほうも楽しいんですよ。『内P』(『内村プロデュース』)でもよくドッキリ企画があったんですが、ディレクターと言っていたのは、大事なのは「思いやりとデリカシー」だからと。

三村 「いじり」と「いじめ」の違いも、そこだと思うんだよね。

大竹 我々も現在まで、今で言うNG的な発言をしてきたと思いますけど、何も言われない。ということはやっぱり、"見つかってない"んですよね(笑)。

配信バラエティとの親和性

もう1つ、10年続いている番組がある。09年にスタートした配信番組『トゥルルさまぁ~ず』(19年2月より『トゥルさま☆』)。今でこそ当たり前になった配信バラエティだが、当時はガラケーの小さな画面で見る形式で、通信容量の制限から1話は3分ほどにしかできない、という非常に限られた条件での挑戦だった。

三村 「誰もやったことがないことをやるんだ」という意識はなかったですね。誰が見てくれてるのか分からない、というのは、テレビも一緒なので。

大竹 それまでやってきたことの延長線上ですよね。現場行って、ライブ感で、楽しいとか楽しくないとか言いながらやっていく。

三村 『トゥルさま☆』は、「段ボールに傘を刺す」とか、「掃除機でお尻を吸う」とか、視聴者の投稿を実際にやってみる番組…くだらない。よく10年も続いたな(笑)。

大竹 ユーチューバーの走り?

三村 確かに、うちの子供がユーチューブ好きで一緒に見たりするけど、男2人が公園で跳べたとか跳べないとかやってて、「オレらじゃんこれ!」ってなったことある(笑)。「ユーチューブの先取り」みたいなこと言って、若い人が食いついてくれればラッキー(笑)。

大竹 「先取った」っていうところが大事ですね。

三村 うん、「ユーチューバーを追っかける中年2人」って言われたら悲しい(笑)。

平成とともに歩んできた、さまぁ~ずの2人。その平成の時代が間もなく終わりを告げるが、例えば、今、2人が20歳の若者であったならば、お笑い芸人を再び目指すだろうか。

三村 平成の30年で、バラエティで求められることはずいぶん変わりましたからね。これからは、芸人、っていう1つの肩書きだけでは、食っていけない時代なのかなと思う。『トゥルさま☆』は、「気持ちいいこと、楽しいこと」っていうぬるっとしたテーマしかなくて、その中でなら何をやったっていいという番組だけど、そんなふうに、広い振れ幅の中で、いかに面白そうなことを見つけていくか。芸人だとかパフォーマーだとか自分を限定しないで、ふわっとさせていくことが大事なのかな。

大竹 30年前とは状況が変わったけれど、今もし自分が20歳だったとしても、やっぱりお笑いをやるでしょうね。ネタで舞台に立ちたい。でも稼ぐのは難しいかも(笑)。

三村 今も芸歴31年だけど大御所じゃないですしね。なんなら中御所(笑)。

大竹 「なんでみんなオレらのこと知ってるんだろう?」って、今でも思ってますから(笑)。

三村 密かに03年のゴールデン・アロー賞芸能賞受賞じゃない?

大竹 だれも知らねーよ! あ、14年のベストジーニストだな。

三村 なんでだよ!(笑)

(ライター 剣持亜弥)

[日経エンタテインメント! 2019年4月号の記事を再構成]

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