さまぁ~ず語る平成のお笑い ネタより個人の力で勝負

日経エンタテインメント!

大竹 切り取りや寄せ集めではない、“ライブ感”みたいなものは、やっぱり大切にしていますね。そして、楽しい現場で終わることも。いい番組って、出るほうも楽しいんですよ。『内P』(『内村プロデュース』)でもよくドッキリ企画があったんですが、ディレクターと言っていたのは、大事なのは「思いやりとデリカシー」だからと。

三村 「いじり」と「いじめ」の違いも、そこだと思うんだよね。

大竹 我々も現在まで、今で言うNG的な発言をしてきたと思いますけど、何も言われない。ということはやっぱり、“見つかってない”んですよね(笑)。

(写真:中村嘉昭)

配信バラエティとの親和性

もう1つ、10年続いている番組がある。09年にスタートした配信番組『トゥルルさまぁ~ず』(19年2月より『トゥルさま☆』)。今でこそ当たり前になった配信バラエティだが、当時はガラケーの小さな画面で見る形式で、通信容量の制限から1話は3分ほどにしかできない、という非常に限られた条件での挑戦だった。

三村 「誰もやったことがないことをやるんだ」という意識はなかったですね。誰が見てくれてるのか分からない、というのは、テレビも一緒なので。

大竹 それまでやってきたことの延長線上ですよね。現場行って、ライブ感で、楽しいとか楽しくないとか言いながらやっていく。

三村 『トゥルさま☆』は、「段ボールに傘を刺す」とか、「掃除機でお尻を吸う」とか、視聴者の投稿を実際にやってみる番組…くだらない。よく10年も続いたな(笑)。

大竹 ユーチューバーの走り?

三村 確かに、うちの子供がユーチューブ好きで一緒に見たりするけど、男2人が公園で跳べたとか跳べないとかやってて、「オレらじゃんこれ!」ってなったことある(笑)。「ユーチューブの先取り」みたいなこと言って、若い人が食いついてくれればラッキー(笑)。

大竹 「先取った」っていうところが大事ですね。

三村 うん、「ユーチューバーを追っかける中年2人」って言われたら悲しい(笑)。

平成とともに歩んできた、さまぁ~ずの2人。その平成の時代が間もなく終わりを告げるが、例えば、今、2人が20歳の若者であったならば、お笑い芸人を再び目指すだろうか。

三村 平成の30年で、バラエティで求められることはずいぶん変わりましたからね。これからは、芸人、っていう1つの肩書きだけでは、食っていけない時代なのかなと思う。『トゥルさま☆』は、「気持ちいいこと、楽しいこと」っていうぬるっとしたテーマしかなくて、その中でなら何をやったっていいという番組だけど、そんなふうに、広い振れ幅の中で、いかに面白そうなことを見つけていくか。芸人だとかパフォーマーだとか自分を限定しないで、ふわっとさせていくことが大事なのかな。

大竹 30年前とは状況が変わったけれど、今もし自分が20歳だったとしても、やっぱりお笑いをやるでしょうね。ネタで舞台に立ちたい。でも稼ぐのは難しいかも(笑)。

三村 今も芸歴31年だけど大御所じゃないですしね。なんなら中御所(笑)。

大竹 「なんでみんなオレらのこと知ってるんだろう?」って、今でも思ってますから(笑)。

三村 密かに03年のゴールデン・アロー賞芸能賞受賞じゃない?

大竹 だれも知らねーよ! あ、14年のベストジーニストだな。

三村 なんでだよ!(笑)

(ライター 剣持亜弥)

[日経エンタテインメント! 2019年4月号の記事を再構成]