映画『KING OF PRISM』 応援上映に熱狂、TV版も
女児向けアーケードゲームを原作に、2011年4月~14年3月まで放送したテレビアニメ『プリティーリズム』シリーズのスピンオフとして16年に誕生した『KING OF PRISM』(通称キンプリ)シリーズ。氷上で歌やダンスを魅せる「プリズムスタァ」を目指す男の子たちが、自らの夢をかなえるために歌やダンスに邁進。仲間との友情や絆を育む姿を描き、第1弾の映画が"応援上映"の先駆け的存在でロングランになるなど、好評を得てきた。
これまでに劇場版を公開し、シリーズ化するまでになったヒットの要因について、制作担当のタツノコプロの依田健プロデューサーは「歌、バトル、アスリートの要素も全部入って、だけどそのどれでもない特殊な世界観を持つ。それをお客様が受け入れてくれたことに尽きます」と話す。
エイベックス・ピクチャーズの西浩子プロデユーサーは「観客が参加できるアフレコを含む菱田正和監督の独特の演出など、作品側から仕掛けを作っていった部分もありますが、それを『プリティーリズム』のもともとのファンの方たちが交流サイト(SNS)などで面白いよ、と広めてくれました。その熱意のおかげで2作目も作ることができ、今回につながりました。本当にネットのある時代で良かったと思います」と話す。
シリーズ第3弾『KING OF PRISM ―Shiny Seven Stars―』(SSS)は、3月より劇場編集版全4章を連続公開。4月8日からはテレビアニメとして放送という形態を取る。
西氏は「劇場版とテレビを同時にやることは、1作目が終わった頃には構想としてありました。テレビ放送でもっと広げたくて。けれどやっぱりこの作品は、劇場に育てていただいたし、応援上映を体感してもらうことも大切にしたいと思っています」話す。
1作目はどんな人が見ても話が分かるようキャッチーに、2作目では物語を決着させ、SSSでは「テレビからでも入りやすいように、1話完結でそれぞれのキャラクターたちを1人ひとり深掘りしていきます」(依田氏)、「なかには意外と思うような展開をするキャラクターもいます」(西氏)という。
また『キンプリ』の特徴の登場人物たちの心情に寄り添った楽曲と、華やかで奇想天外な映像演出で見る者の度肝を抜くライブシーン「プリズムショー」は、CGディレクターの乙部善弘や『ラブライブ!』の監督としても知られる京極尚彦らの手により、さらにパワーアップした。
プリズムショー界の頂点にいるコウジ、ヒロ、カヅキの3人組ユニット「Over The Rainbow」に憧れて、未来のプリズムスタァになるべくエーデルローズに入学したシン、ユキノジョウ、タイガら7人。魅力的なライバルたちの存在、事務所を取り巻く陰謀なども絡み合い、物語は様々に展開する。劇場編集版は全4編。
(日経エンタテインメント!4月号の記事を再構成 文/山内涼子)
[日経MJ2019年4月12日付]
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