切れ味や携帯性に新たな工夫 テープカッター最前線納富廉邦のステーショナリー進化形

どちらも、製品の特徴を保持したまま、ハンディータイプに仕立ててあって、その完成度はとても高い。特にハンディータイプで重要な省スペース、コンパクト性と使い勝手の良さの両立に関して、きちんと考えて製品化されているのがすごいと思う。

そして、ハンディータイプと据え置きタイプの両方を一つの製品でまとめようという試みが、コクヨの「GLOO テープカッター」だ。

コクヨ「GLOO テープカッター」1600円(税別)。真っ直ぐ上に持ち上げると外れるが、横の力には強い底面の吸盤のおかげで、ハンディータイプと据え置きタイプを兼用できる。テープは別売り

この製品、形はほとんどハンディー型のテープカッターなのだが、下部に吸盤が付いている。この吸盤が良くできていて、テープを引っ張り出す時のような、引っ張る動作ではしっかりとくっついているのだが、真上から引き上げると簡単に外れる。つまり、机上では動かず安定したテープカッターだが、手に持って使いたい時は、そのまま持ち上げるだけという仕組みなのだ。この方式なら、本体が重くなくても構わない。

ただし、この吸盤は、かなり平滑な面でないとキレイにくっつかないので、スチールのデスクなどなら良いけれど、木製のデスクでは使えないなど、やや使用シーンを選ぶので注意。

カッター部分はカルカットと同じものが使われているので、軽く、真っすぐ切れる。

底面がマグネットの小型モデル

着脱式のテープカッターとしては、サンスター文具の「ラカット」も面白い。

基本的にはマスキングテープ用のテープカッターだが、もちろん小巻きのタイプなら通常の接着テープも使用可能な、マグネットつきテープカッターなのだ。

サンスター文具「ラカット」980円(税別)。色はブラック・ホワイト・ピンク・イエロー・ミントグリーンの5色。底面のマグネットはかなり強力で、片手でテープを切ることができる

底面が張り貼り付ければ、そのままテープを引っ張り出して使える。マグネットで固定するので、片手でテープを出してカットできるのがポイント。机の脇のスチール製の棚や引き出しに張り付けておいても良い。しかも、張り付けたままテープ交換ができるように作られているのもうまい。

同じく、マスキングテープ用の製品だが、コクヨの「カルカット(クリップタイプ)」も名作だ。

接着テープに直接取り付けるクリップタイプのテープカッターなのだが、取り付けが簡単で、真っすぐな切り口で切れる。

コクヨ「カルカット(クリップタイプ)」。マスキングテープのテープ幅に合わせて、10~15mm用(税別360円)と、20~25mm用(税別380円)の2種類がある。もちろん、一般的な小巻きの接着テープで利用可能。付け替えが楽なので複数のテープに1つのカッターで対応できる

本当に取り付け取り外しが簡単なので、複数のテープを使い分けることが多いマスキングテープのユーザーの間で圧倒的に人気なのだが、通常の作業でも、テープカッターに入っていないテープを使うときや、マスキングテープのような普段使わないテープをちょっと使うときなど、さっと付けるだけで良いので、とても楽なのだ。それでいて、切りやすいのだから、持っておいて損はない。

テープカッターを付箋に応用

オマケにもう一つ。ヤマトの「テープノフセン」も紹介しておく。

これは接着テープの形状の付箋なのだが、そのケースというかテープカッターが良くできているのだ。コンパクトで切りやすく、しかも接着面がほとんど露出しないから、携帯にも便利。つまり、どこにでも持っていけて、どこにでも貼り付けて、そこにメモが書けるという製品。

ヤマト「テープノフセン」320円(税別)。接着テープではなく、ロールタイプのふせんのディスペンサーだが、シンプルなデザインと使い勝手の良い操作性なので参考までに

あくまでも紙の付箋を切るためのもので、普通の接着テープを切ることは想定していない製品だが、テープカッターの使い方のバリエーションの一つとして紹介しておく。

納富廉邦
佐賀県出身、フリーライター。IT、伝統芸能、文房具、筆記具、革小物などの装身具、かばんや家電、飲食など、娯楽とモノを中心に執筆。「大人カバンの中身講座」「やかんの本」など著書多数。

納富廉邦のステーショナリー進化形
小型化進む最新ハサミ 切れ味も高める、あの手この手
子ども用や刃折り不要も登場 進化するカッターナイフ
消耗品から「高級実用品」へ ボールペン、進化の秘密

(写真 渡辺慎一郎=スタジオキャスパー)

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