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メインの平台の面陳列棚には思考法の近刊が並ぶ(リブロ汐留シオサイト店)

メインの平台の面陳列棚には思考法の近刊が並ぶ(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。『FACTFULNESS』と『メモの魔力』の2強が相変わらず上位でビジネス書の売り上げを引っ張る。そんな中、新刊で上位に食い込んできたのは、本当にやりたいことをやるための思考法をスキルとしてまとめ上げた戦略デザイナーによる一冊だった。

内発的な妄想を戦略に結びつける

その本は佐宗邦威『直観と論理をつなぐ思考法』(ダイヤモンド社)。著者の佐宗氏はP&Gのマーケターを振り出しにソニーの新規事業創出プログラムを立ち上げ、その後戦略デザインファーム、BIOTOPEを起業して様々な消費財や新規ビジネスの戦略構築を手がける。その名うての戦略デザイナーが内発的な妄想から始めて戦略へと結びつける思考法を世に問うた。それが本書だ。

著者は言う。「『根拠の見えない直観』や『得体の知れない妄想』を見事に手なずけた人・企業たちが、マーケットに強力なインパクトを与え、周囲からの尊敬を集めている」。人類の火星移住といった壮大なビジョンをぶち上げるイーロン・マスク氏をはじめとしたシリコンバレーのイノベーターたちのことだ。

具体的なメソッドとして提示

こうした思考法は一部の人たちしか実践できないものでと考えられがちだが、そうではないと著者は言う。著者は100近いプロジェクトを手がける中で、内発的な妄想からスタートし、それを具体的な形に落とし込む思考法を様々に試行し、メソッドへと発展させた。これが本書でいうビジョン思考だ。メソッドにしたことで誰でも鍛え実践することができる。イノベーションが起きない、直感は働かないし、ビジョンなんて思いつきもしないと悩むビジネスパースンには、たいへん魅力的な内容だろう。

第1章では、ビジョン思考のイメージを「思考を巡る架空世界」の地図をイラストで示して、カイゼン思考、戦略思考、デザイン思考と比較しながら論じていく。そして第2章以降は、ビジョン思考を妄想を生み出す段階、五感を使って知覚する段階、それを組み替えてブラッシュアップする段階、それを表現する段階に分け、それぞれの能力を鍛える様々な鍛錬法を示していく。

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