長期で見れば、株価下落はチャンスに
日経平均株価を例に、過去の株価の動きを見てみましょう。編集時点(19年4月9日終値)の株価は、2万1803円。過去2年間で振り返ると、高値水準は2万4000円前後で、安値水準は1万8000円台。今よりも安いときがあったことが分かります。
過去5年間だと、高値水準は同じですが、安値水準は1万3900円台。過去10年ですと、リーマン・ショックの影響で8000円を下回るときもあったのです。日経平均株価チャートはネットですぐに見られるので、ぜひ確認を。長期スパンで見ることが大事ですよ。
というわけで、今一番やってはいけないことは、やみくもに「元本割れ、いや~、怖い」と売ってしまうことです。株価は循環的に上がったり、下がったりするもの。その影響で投資信託が一時的に値下がりしているときは、売りどきではありません。下落は気にせず、値上がりをじっと待つのが得策です。
特に日経平均株価など、株価指数(市場平均のこと)と同じような値動きをするインデックス型投信なら、目標とする株価指数が上向きになれば、その投信の価格も同じように上がります。手数料も安いので、長期の積み立て投資に最適です。
反対に手数料が高め(保有する投信の資産残高に対してかかる信託報酬が、税抜きで年率1.2%以上くらい)のアクティブ型投信といわれるタイプで積み立てているなら、要注意。高い手数料の投信は、長期の積み立て投資には不向きです。価格が戻ったところで見直しを検討するといいでしょう。
投資は「買って、持って、売って」ひと通りの経験です。株価が下がったときこそ、「何が原因で値下がりしたのだろう」と興味を持ってニュースをチェックしましょう。今は経験を増やすいいチャンスです。

今回の回答者

[日経ウーマン 2019年5月号の記事を再構成]