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カリスマの直言

終わる平成 政府肥大化が招いた経済停滞(安東泰志) ニューホライズンキャピタル取締役会長

2019/4/22

2002年(平成14年)9月、小泉改造内閣で金融担当相が竹中平蔵氏に代わったあと、大手行の不良債権比率を2005年3月までに02年3月比で半減させるという目標が示された。そのため融資の自己査定基準を厳格化し、金融検査で厳しく不良債権を洗い出し、早期の処理を求めた。銀行の不良債権額は02年には52兆円に達しており、最終的な不良債権の処理額は100兆円を超えた。

■民間への資金環流促進を

この不良債権処理と、それに伴う銀行への公的資金の投入によって日本経済はようやくバブル崩壊の痛手から立ち直りつつある。しかし銀行の資産査定の厳格化やバブル崩壊、リーマンショックなどに遭遇した企業の自己防衛本能から、大企業は内部留保を膨らませる一方、中堅中小企業に資金が行き渡らなくなる傾向が出てきた。そのため民主党政権下では中小企業金融円滑化法が定められ、昨今は金融庁が主導するかたちで金融機関は「事業性評価融資」に取り組んでいるが、日本経済に資金がうまく循環しているとは言いがたい。

これらの問題に取り組みつつ、不良債権処理の間に勃興したプライベートエクイティ(PE、未公開株)ファンド、昨今活性化しているベンチャーキャピタル(VC)などへの資金還流を進めることで日本の産業の新陳代謝を進めることが、次の時代の大きな課題なのではないだろうか。昨今問題になっている「官民ファンド」などを含めそろそろ政府の出番を減らすべきなのである。

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