終わる平成 政府肥大化が招いた経済停滞(安東泰志)ニューホライズンキャピタル取締役会長

東京・霞が関の官庁街。平成時代は財政拡張で日本経済を下支えしてきた
東京・霞が関の官庁街。平成時代は財政拡張で日本経済を下支えしてきた
「バブル崩壊とリーマンショックから立ち直る過程で政府が肥大化し、日本経済の停滞につながった」

5月1日に新元号「令和」の時代が幕を開け、平成は約30年4ヶ月で幕を閉じる。この間に内外で銀行と投資ファンド両方の世界に身を置いた経験から、金融経済の観点で平成を振り返ってみたい。大きな課題としてあげられるのが、日本の民間部門の中での資金循環がうまくいかず、バブル崩壊とリーマンショックから立ち直る過程で政府が肥大化したことだろう。

1989年(平成元年)に僅か250兆円だった国と地方の債務は、現在約1100兆円にも及び、GDPの約200%にもなっている。

これら公的債務の膨張を下支えしているのが日銀による大量の国債購入であり、そのため長期金利は低位に抑えられ、政府の野放図な財政拡張を許してしまっている。平成の間に家計部門の金融資産は800兆円ほど増えているが、それは国と地方の財政拡張とほぼ同じ規模である。要するに家計部門の金融資産は、銀行や年金を通して国が吸い上げて非効率に使ってきたというのが現実だろう。民間企業であれば自己資本利益率(ROE)で2桁を目標としたいところだが、国にはそういう指標がない。民間でできることを国がやってきた結果が経済の停滞である。