何かを手放したら、何かが入ってくる

―― 仕事のペースを抑えたことでどんな変化がありましたか?

ベッキー 想像以上に得たことがたくさんありました。人生って不思議なもので、USBメモリーのように容量が決まっていて、何かを手放したら何かが入ってくるんです。一つ得るには、一つ手放さなければいけないんだなと実感しました。何も失わずにすべてを手に入れようとするのはワガママだと思います。

得たことで特に大きかったのはすてきな友人に出会ったことですね。「ああ、この人は私の人生を変えるために現れた」と思うこともありました。自分で開けられなかった引き出しも他人が開けてくれることもあるんだなと。

―― 人脈が広がっていったんですね。いろいろ刺激も受けましたか?

ベッキー 友人たちの助言で肩の力を抜いて人生を送ることができるようになったと思います。20代前半は「初めて会う人とはご飯を食べに行かない」とか「翌日仕事のときは遊びに行かない」などと、自分にルールを課していたんですが、友人の一言でそんなルールもやめました。「明日仕事だからってなんで来れないの? 来ればいいじゃん」と言われて。「あ、そうか、そうだよね」と。初めましての人とも食事に行くようになりました。

頑固にならず、人の意見も聞くことにしました。例えば、爪も友人の一言で変えたんですよ。20代の頃はネイルクイーンに選ばれたこともあるくらい、爪をいろいろと装飾していました。ただ、新しく出会い、友達になった年下の女優さんに「30歳になったら、爪を飾るのをやめてもいいんじゃない」と言われて。やめてみるとナチュラルな爪の素晴らしさを改めて知りました。料理もしやすくなったし、ファッションや仕事によって爪の色を簡単に変えることができて表現の幅が広がりました。友人の助言によって視野が広がったなと感じています。

人脈が広がっただけでなく、周囲の人に弱音を吐けるようにもなったんです。周りのスタッフさんや身近な方には「やっと言ってくれたね」と喜ばれたんですよ。

人間関係が変化したことで、心のバランスが取れるようになり、また新たな気持ちで仕事に打ち込むことができるようになりました。仕事のペースを抑えたことが、結果的には仕事にもプラスになったと思います。

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手は抜かないが、肩の力は抜いていく