世代超えて広がるゲーミングPC 対戦も交流も魅力ゲーミングPC最前線/人気ブランド「ALIENWARE」責任者に聞く

親が子どもに進学などのタイミングで買い与えたり、女性もゲーミングPCに興味を示したり。時間に余裕がある引退した世代が孫と一緒にオンラインゲームで遊んでいるという話も耳にします。オンラインゲームなら同じ地域に住んでいなくても会話ができます。ゲームがコミュニケーションツールとして使われているわけです。

パソコンに対するイメージも変わってきていると思います。昔はパソコンというとやぼったいイメージがあった。でも最近はテクノロジーの進化でかっこいいパソコンが増えた。多くの人の中で「自慢したい/見せたい」モノになってきたんです。

上の世代にとってパソコンは後からできたモノで、使い方を学ばなければいけなかった。でも今の若い世代は生まれたときからパソコンがあって、テクノロジーに触れながら成長してきた。もう生活の一部になっている。パソコンに対する感覚も違うと思います。

――設立当初、この成功を予想していましたか。

とんでもない。あの頃の私たちの想像をはるかに超えています。当時の目標は1カ月に50台だったんですから(笑)。

私は学生時代、オタクだったんですが、ゲームの話で盛り上がれる友人は4人しかいませんでした。でも、今は「リーグ・オブ・レジェンド」を遊んでいる人が世界中に何万人もいて、その人たちは「リーグ・オブ・レジェンド」の話題で盛り上がれる友人でもあります。そんな状況をつくるのに貢献してこられたことは、私にとって大きな誇りです。

冒頭の写真でエイゾール氏が手にしているパソコンが「ALIENWARE AREA-51m」。「デスクトップPCの性能をそのまま実現したゲーミングノートPC」だという

eスポーツなら年齢や体格も関係ない

――オンラインゲームが発展して生まれたeスポーツについてどう見ていますか?

eスポーツの影響力は大きいと思います。eスポーツは世界の人たちをつなげることができるんです。

従来のスポーツ大会では、参加するために同じ時間に同じ場所へ行かなくてはいけませんでした。でもeスポーツなら世界中のどこにいてもオンラインでつながることができます。天気の心配をする必要もないし、プレーヤーの年齢や体格も関係ありません。

その魅力が今までは理解されていなかったのですが、徐々に状況は変わりつつあると感じています。

企業も注目し始めています。米国では野球やバスケットボール、サッカーチームのオーナー企業もeスポーツの影響力や盛り上がりに興味を持っている。最近では脅威も感じていると聞きました。理由は従来のスポーツは、eスポーツほど、若い世代を取り入れていないからです。その結果、eスポーツに投資するスポーツチームも増えています。

eスポーツは次世代のスポーツプラットフォームです。私が生きている間には五輪競技になると思います。

──五輪が行われるのは4年に一度。採用されたゲームが次の五輪にはなくなっているのではという危機感もあるようですが(記事「『人気ゲームは5年後も残る?』 五輪eスポーツに壁」参照)。

とても成功しているeスポーツゲームでは、5年以上人気のタイトルもありますよ。「カウンターストライク」は10年以上続いているタイトルですし、「リーグ・オブ・レジェンド」も登場から10年たちましたが、今でも人気です。

五輪入りをするためにはゲームのジャンルを考えるべきだとは思います。サッカーのように、従来のスポーツでもeスポーツでも楽しめるジャンルですね。

レーシング系のゲームも長年人気のタイトルが多いジャンルですね。クルマでサッカーをする「ロケットリーグ」というゲームは5年たってもなお人気があります。実際のレースをするとなると、サーキットも車両も必要になると思いますが、eスポーツならインフラ投資の必要はありません。IOC(国際オリンピック委員会)がこれからゲームについて学ぶべきことは多いと思いますよ。

ALIENWAREの共同創業者であるエイゾール氏は、2006年のデルとの統合後に、ALIENWARE事業部門のワールドワイドのジェネラル マネージャーに就任。2017年時点で自身の名義で16件の特許を取得。デルにおける稀有の発明家と称されているという

(文 辻村美奈=マイカ、写真 吉村永)

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