「裸が命」の小島よしお 常に持ち歩く2つのモノとは
2007年に「そんなの関係ねぇ!」で人気者になり、近年は子どもにターゲットを絞って再ブレークしている小島よしおさん。「体が資本」という38歳が愛用しているのは、GPS内蔵のランニングウオッチだった。
健康に欠かせないランニングウオッチ
「仕事で服を脱ぐので、健康管理にはいつも気をつけています。走ることも多いのですが、そのときに重宝しているのがガーミンの『ForeAthlete 645 Music』という時計です。値段は4万7000円くらいだったかな? Amazonのポイントを使って買いました(笑)。
この前の時計もランニングウオッチだったんですが、このガーミンはすごく機能が進化している。スマートフォンと連動していて、1日にどれくらい走ったか、1km何分で走っていたかを日々記録してくれるんですよ。それをボタン1つで、わかりやすく表にもしてくれる。記録が上がっていると、モチベーションにつながりますよね。さらに走った後に『この1kmは、あなたの最高記録でした』とか『リカバリー(回復)のために何時間空けたほうがいいですよ』っていうようなアドバイスもくれるんです。本当にもう、コーチですよ。コーチがこの中にいる、みたいな。
前のものは、400メートル走ったら1回止めて、200メートルジョグ(ゆっくり走ること)して、またリスタートさせて……としなきゃいけなかった。でもこれは、そういうメニューを全部教えてくれるので、ストレスがなくなりました。
軽くて着け心地もいいので、寝る時も着けています。そうすると起きた時に『何時から何時はレム睡眠で、この時間はノンレム睡眠でした』とか、睡眠の浅い深いも教えてくれるんです。もちろん心拍数や消費カロリーも表示される。健康管理全般にすごく重宝しています」
もう一つ見せてくれたモノも、やはり体に関係したグッズ。ランブルローラーの「ビースティ・ボール」だった。
「これは筋膜リリースに効果的なグッズです。仕事柄、移動が多いので、飛行機や新幹線に乗ったときに腰に当てたり、お尻と椅子の間に入れたりしています。置いているだけで体がラクになるから、ヘタな整体に行くよりいいです。小さくて携帯しやすいので、いつもバッグに入れて持ち歩けるし。これもネットで買って、4000円くらいだったかな? 硬さが異なるモデルも持っていたりします。
奥さんにこれを使ってマッサージをしてあげることもあります。肩凝りをほぐしてあげようと指圧すると手が疲れるじゃないですか。でも、これを使えばゴリゴリやるだけですごくラク。奥さんも俺の指圧より『こっちのほうがいい』って言うんですよ(笑)」
テンションを上げる仕事道具「海パン」
4月19日公開の声の出演作は、「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン~失われたひろし~」。小島さんは、舞台となるオーストラリアを旅行中に現地の仮面族にさらわれる観光客・小島よしお役を演じている。映画の「クレしん」に出演するのは、08年公開の「ちょー嵐を呼ぶ金矛(きんぽこ)の勇者」以来だ。
「『クレヨンしんちゃん』は子どもの頃から見ていました。中学のトイレで怖い先輩に『何かやれ』って言われたとき、しんちゃんのマネで笑いを取って難を逃れたこともあります。僕は裸を出してますけど、しんちゃんは尻を出す。どこか影響を受けているかもしれないですね、今の芸風にも(笑)。
前回の、いわゆる『旬』のときに出演できたのもうれしかったけど、8年前から子どもにターゲットを絞って子ども向けのライブを続けてきたので、今回11年ぶりにオファーを受けたときは、その集大成という感じがして感慨深いものがありました。
アフレコの時の服装ですか? 海パンです。やっぱり服を脱いだほうが、開放的になって、テンションが上がるんですよ」
トレードマークの海パンは、20歳から27歳まで初代を使用。その後10年近く二代目海パンで活動していたが、2年前に三代目に変えたという。
「初代のファイアーっぽい海パンは、お母さんの沖縄料理屋でアルバイトをしていた時に、お客さんからもらったものなんです。それが07年、仕事が忙しくなり始めた頃に寿命が来た。泥だらけになるような仕事が増えたので、洗う回数が増えて、摩耗のスピードが速くなったんですよ。それで伊勢丹の水着売り場に行って、直感で買ったのがラスタカラーの二代目でした。
二代目はかなり使い続けましたね。枚数を持っていたんです。なぜ持っていたかというと、落とし穴に落ちて、同じ海パンを履いた100人のおじさんが『そんなの関係ねぇ!』をするっていうドッキリを受けたとき、収録後に『もし良かったら……』と100人分の海パンをもらったから(笑)。でもサイズが合わないものもあったし、プレゼントであげちゃったりしていて、10年くらいでなくなってしまった。
今のストライプ柄の三代目を選んだのは、子どもたちです。子ども向けライブで海パンを4つ並べて『海パン総選挙』をやって、リアルに1位に選ばれたのがこれでした。僅差で2位だったのはワンショルダータイプ。片方に生地がないキワドイもので、激しく動いたらどんどん落ちていく。あれが選ばれていたら危なかった(笑)」
子どもにターゲットを絞った理由
現在、子ども向けの大規模な単独ライブを年1回開催。「そのほかに、ネタだけ出すライブが年2回あって、子ども向けの営業が月に6~8本くらいある」という。8年前に「子どもにターゲットを絞った」のはなぜか。
「07年とか08年のめまぐるしい日々に、ゴールデンタイムのレギュラーをやらせてもらって、まわりのすごさと自分の力の無さを痛感したんです。『このままじゃマズイ、いつか仕事がなくなる』という危機感から、読みあさったのがセルフブランディングの本でした。おかげで自分の得意なところを伸ばしたほうがいいと思うようになり、『自分の武器は何だろう』と考えるきっかけにもなりました。
当時の仕事で多かったのはクイズなどの学力系、筋肉系、そして子ども向けの番組の3つ。だからそれらを伸ばしていこうと考えたんです。クイズ系のために勉強して、筋肉系のために筋肉を鍛え直す。子ども向けにはネタを考えてライブを開く。
とはいえ、最初は誰も俺が子ども向けライブをやっているなんて知らないですからね。知り合いの保育園を回って、ネタをやって、ビラを配らせてもらったりもしました」
そうして始めたライブが評判となり、子ども向けの歌のCDや絵本なども発売。今では以前にも増して子どもたちの人気者となっている。
「子どもをターゲットにして良かったのは、常に刺激をもらえること。子どもは厳しいんですよ。飽きたら席を離れて、どっか行っちゃう(笑)。集中力が短い分、常に全力投球で良い球を放らないといけない。
それから、自分も無理なく楽しめるのがいいですね。俺自身、昔から落ち着きがないと言われてきましたし、カンチョーみたいな遊びも好きだし、子どもと波長が合う(笑)。『ビジネス的にいいから』だけでやっていると、やっぱりどこかに無理が出てくるんじゃないかな。自分の場合は、本当に子どもと話したりするのが好きなので合っているのかなと思います。
これから力を入れたいのは、体を動かすイベントです。今の子どもは体を動かさないので、昔と比べると運動神経が悪くなっている気がするんですよ。それで去年、運動会みたいなイベントをやってみたんですが、『ウチの子が全力疾走する姿を初めて見た』という親御さんもいて。そういう機会を全国に広げていきたいです。
健康は大事ですよ。それがないとライブも楽しめないし。だからネタも、子どもたちが声を出せるものを考えたり、食育につながる野菜の歌を歌ったり、元気になれるものを心がけています。
健康が大事なのは俺も同じです。今回、11年ぶりにしんちゃんの映画に出たわけですけど、しんちゃんは全然変わっていなかった(笑)。でも、こっちはそうはいきませんからね。俺の芸は体が資本で裸が命。食事と運動に気を使って、ガーミンやビースティ・ボールのようなモノを取り入れながら、若さを保てるように頑張っていかないと」
1980年沖縄県生まれ、千葉県育ち。早稲田大学在学中にコントグループ「WAGE」でデビュー。2006年よりピン芸人として活動。07年に「そんなの関係ねぇ!」でブレークし、「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10に選ばれる。11年より子ども向けライブを開催。16年にキッズアルバム「よしおのうた」をリリースし、書籍「小島よしお先生のやってみ体操」を出版。17年には育児書の「キッズのココロわしづかみ術」、18年には絵本「ぱちょーん」を発売した。
『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン~失われたひろし~』
5歳の息子・しんのすけと、赤ちゃんのひまわり、愛犬・シロと幸せに暮らす野原ひろしとみさえ。ある日、激安ツアーを発見し、家族みんなでオーストラリアの秘境グレートババァブリーフ島へ今さら初の新婚旅行に行くことに。しかし到着後、ひろしはひょんなことから「お宝の鍵」となってしまい、現地の仮面族にさらわれてしまう。そんなひろしを取り戻すため、奮闘する野原一家。そして現れる世界中のトレジャーハンターたち。野原家は無事に春日部の家へ帰れるのか。原作・臼井儀人(らくだ社) 監督・橋本昌和 声の出演・小林由美子、ならはしみき、森川智之、こおろぎさとみ 声の特別出演・木南晴夏、小島よしお、ぺこ・りゅうちぇる 4月19日(金)より全国ロードショー
(文 泊貴洋、写真 藤本和史)
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