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カリスマの直言

米金融政策転換 「AI革命相場」号砲鳴る(藤田勉) 一橋大学大学院特任教授

2019/4/15

トランプ大統領は18年に、金融政策において豊富な経験を持ち、かつリーマン・ショック後の米国経済を見事なまでに軌道に乗せたジャネット・イエレン議長を任期4年で退任させた。後任は大手金融機関出身ではあるものの、金融政策の専門家とはいえないジェローム・パウエル(ジョージタウン大学法学博士)であった。しかし、トランプ大統領が選んだパウエル議長が、その意思に反して利上げを続け、さらに19年に2度利上げする方針を打ち出した。

■米FRB、利上げ方針を大転換

世界経済が急減速する中で何度も利上げすれば、株式相場が腰折れするのは当然である。これに対して、トランプ大統領は厳しくパウエル議長を批判し、解任検討との報道まであった。

当初、トランプ大統領による厳しい批判をものともせずに、金融引き締めを貫いたパウエル議長だが、19年に入って、その態度は急変した。18年12月19日の利上げからわずか半月後の19年1月4日にパウエル議長は方針を大転換し、利上げ停止を示唆した。そして1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げを棚上げし、3月には物価目標見直しや長期金利目標設定を含む新緩和策を検討していると表明した。

結果として市場とトランプ大統領の圧力に屈して、パウエル議長は方針を大転回することとなった。株価はこれを好感して大きく上昇に転じた。

連邦準備法にはFRBが政府から独立しているとはどこにも書いていない。1980年代以降、ボルカー、グリーンスパン、バーナンキ、イエレンと歴代議長は優秀であった。このため専門知識のない政治家が介入しない方がいいということで、事実上の独立性が形成されてきた(政府内で独立している)。つまり議長が優秀であれば独立しうるが、景気悪化時に利上げしているようでは大統領が介入するのは自然である。

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