米金融政策転換 「AI革命相場」号砲鳴る(藤田勉)一橋大学大学院特任教授

米FRBのパウエル議長は2019年3月の記者会見で米国債などの保有量を減らす「量的引き締め」を終了すると宣言した=共同
米FRBのパウエル議長は2019年3月の記者会見で米国債などの保有量を減らす「量的引き締め」を終了すると宣言した=共同

2018年12月に付けた安値を底に、世界の株式市場は新しい上昇相場に突入した可能性が高い。そしてこの上昇はかなり長期化することが予想される。筆者は米金融政策の転換をきっかけに、20年代に向けた「AI革命相場」が始まったとみている。

「FRBの方針大転換で世界株の最大のリスクである米国の逆イールドリスクは大きく低減し、20年代に向けたAI革命相場が始まっている」

20年代の投資テーマは人工知能(AI)革命であり、ロボット、自動運転、フィンテックがその成長の中核となろう。株式相場は短期的には金利や為替相場などマクロ要因の影響を大きく受けるが、長期的にミクロ要因によって決まる。つまり株式市場は経済の鏡ではなく、企業の成長力の鏡なのである。そのため株式投資においては、投資テーマの選別が最も重要である。

アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、アップル、アルファベットなど米国企業がこの分野では世界をリードしている。しかし日本でも、世界で活躍できるAI企業が成長しつつある。自動制御装置のトップメーカーであるキーエンスの時価総額は8兆円を超え、日本全体での順位は4位である。ソニーは日本で数少ない世界で通用するプラットフォームビジネス(プレイステーション)で成長する。リクルートは人材ビジネスをAI化し、人事業務でデジタル技術を活用する「HRテック」を創り出した。AI革命相場ではこうした成長力のある企業を見極める高度な銘柄選択能力が今まで以上に要求されるのである。

世界の株式相場は底入れ

通常、株価が20%以上下落すると弱気相場入りとされる。18年の高値から安値まで、米国株(S&P500)は20%、日本株(TOPIX)は26%下落している。世界全体の時価総額も最大で20%以上減少したので、09年3月に始まったリーマン・ショック後の上昇相場は、18年9月に終わったと考えられる。

世界の株式相場が底入れしたと考えられる最大の根拠は、米国の金融政策の大転換である。18年9月以降の世界的な株価急落の原因は、世界経済が急減速している中で、米連邦準備理事会(FRB)が政策金利であるフェデラルファンドレート(FF金利)を引き上げ、かつ、その後も引き上げを続ける方針を出したことによる。

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