春はスカーフで時短コーデ 首・腰・髪やバッグに彩り
宮田理江のおしゃれレッスン
春本番を迎えて、着姿に彩りを加えたくなったら、スカーフが役に立ちます。首に巻く古典的な使い方以外にも、装いに迎え入れる選択肢が多いのがスカーフのいいところ。基本的には「巻くだけ」で済む手軽さも時短コーディネートを助けてくれそう。人気セレクトショップ「GALLARDAGALANTE(ガリャルダガランテ)」と日本ブランド「HERITANOVUM(ヘリテノーム)」のコラボレーションから多彩なスカーフのアレンジ術をつかんで、春から先の着こなしを華やかにしてみませんか。
首、肩に巻いて顔周りに明るさを
首周りはスカーフの「定位置」とも呼べそうな、おなじみの居場所です。まずは首に巻く基本技を押さえていきましょう。首にぴったり巻くと、ネックレスのような見え具合に。上品にまとまる効果は、航空会社のキャビンアテンダントが証明しています。顔に近い位置に迎えると、顔周りが明るく華やかに映ります。細く束ねたうえで、端の余った部分を短くして、コンパクトにまとめるのがルーズに見せないコツです。
布を広げて、胸上まで覆う「アフガン巻き」はたっぷりの量感を強調できるので、小顔に見せる効果も期待できます。胸下に来る、とがった角がシャープなイメージを生みます。広い面積にきれいな柄を見せやすいから、色・柄に特徴のあるスカーフを選ぶと、見た目の印象が強まります。
首で慣れたら、次は少しポジションをずらして肩へ。スカーフを広げて、片側の肩を覆うようにすれば、左右が不ぞろいになる「アシンメトリー」の装いに整えられます。まるで服を着ているような見え具合になるから、手持ちの服に別のムードを添えられそう。スカーフを使った着回しにも役立ちます。無地の服にも、スカーフの柄がアクセントを加えてくれます。
ウエストに迎えて、「もう1着の服」に
見慣れた首周りから、居場所をずらせば、別の表情を引き出せます。たとえば、ウエスト。パンツの腰にぐるっと巻いて、ベルト代わりに使うと、スカーフのあでやかな柄がウエスト周りにフェミニンな風情をプラス。お仕事ルックのシックなパンツにも程よい華やぎを添えられます。はき慣れたデニムパンツ(ジーンズ)も、エレガントな柄のスカーフが雰囲気を変えてくれます。
ウエストゾーンでの使い方はベルト巻きにとどまりません。いっぱいに広げて、1枚の布として使う手もあります。真っ白いシャツワンピースの上から重ねて、色・柄を乗せるような見せ方も選べます。ワンピースに結びつけて、左右の片側だけを、膝のあたりまで覆うようにまとえば、着姿に左右非対称の動きを出せます。
先のまとい方は服の腰に結ぶ添え方でしたが、ひもを使えば、さらに高い位置からスカーフをつるすことができます。肩から斜め掛けにしたひもの端にスカーフの角をゆわえて、ゆるやかに垂らせば、まるで柄物のスカートのような見え具合に。シャツワンピースとスカートをレイヤード(重ね着)したかのような雰囲気に仕上がります。
ヘアパーツ使いで視線を引き上げ
スカーフを髪に巻くレトロなスタイルが浮上。近頃は中東やアフリカのムードを生かすテクニックとして、あらためて脚光を浴びています。イスラムの伝統的な装いをイメージさせる「砂漠系」のスタイリングは、エキゾチックな風情を漂わせてくれそう。
髪をほとんど包んでしまう巻き方や、額のあたりに髪をのぞかせる巻き方など、いろいろなバリエーションが試せます。髪形を変えなくても、スカーフだけで新しいヘアアレンジを取り入れられるバージョンです。
髪を覆う巻き方のほかに、髪飾りのような使い方も選べます。後ろに髪を垂らし、ヘアゴムで束ねて、その上からスカーフを無造作に巻いて。さっぱりしがちな後ろ姿にアクセントを加える効果が見込めます。
少し手の込んだアレンジとしては、スカーフを垂らし髪と一緒に編み込む方法があります。髪と布が複雑に入り組んで、個性的なヘアスタイルが完成。髪飾り風の取り入れ方は、視線を引き上げ、全体のプロポーションを縦長に見せる働きも発揮してくれます。
バッグや帽子に盛って、別顔にスイッチ
「スカーフは身に着けるもの」という思い込みを捨てれば、活用法が広がります。たとえば、風呂敷で包み込むようなイメージで、バッグをくるむと、布特有のやわらかい表情が備わります。無地のバッグも、スカーフの柄次第で、コーディネートのアクセントに。バッグをキーピースに据えた装いも組み立てられます。
バッグ以外の小物類にも、スカーフを巻くアレンジを試せます。フェルト帽のクラウン(盛り上がっている部分)周りにスカーフを巻くと、優美なたたずまいに。ゆるく巻いて、余った端を背中側に垂らせば、動きが出ます。夏はナチュラル気分を帯びた植物素材のラフィア帽をベースに、リゾートテイストの組み合わせも楽しめます。
「ヘリテノーム×ガリャルダガランテ」が提案するスカーフ術
セレクトショップの「ガリャルダガランテ」は大人の女性に似合う、気負わない上質テイストを感じさせる装いを得意としています。「ヘリテノーム」は古いルールにとらわれず、新しいバランスを楽しむ心地よいエレガンスを提案。多彩なスタイリングのアイデアが広がるスカーフを用意しています。
スカーフの居場所をずらしたり、巻き方を変えたりすれば、1枚で何通りにも使い分けられます。色や柄のきれいなスカーフをムードメーカーに起用して、春夏の装いを自在に彩ってみてはいかがでしょう。
ガリャルダガランテ「HERITANOVUM」オリジナルスカーフ
https://www.palcloset.jp/shared/pc_pal/event/gallardagalante/181123heritanovum/
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通販ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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