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就活で聞かれる「挫折経験」 答え方にはコツがある

ホンネの就活ツッコミ論(101)

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NIKKEI STYLE

「就活は無理ゲー」。

就職活動シーズンになると、毎年のように各交流サイト(SNS)に出る就活生の嘆きです。「無理ゲー」とはネットスラングで「無理なゲーム」の略。「無理難題」くらいの意味です。

就活の取材を始めた当初の私はこうした書き込みを軽視していました。しかし、取材が進むにつれて、エントリーシートにしろ、面接にしろ、「確かに『無理ゲー』だな」と思う設問や質問が見えてきました。その代表格が「あなたの挫折(失敗)経験を教えてください」です。

この設問・質問を巡り、企業側の意図と学生の回答は往々にしてすれ違います。一体どうしてでしょうか? そして、就活生はこの「無理な」質問にどう向き合えばいいのでしょうか?

実際、2月から4月にかけて就活生からの相談を受けたり、エントリーシートを添削したりしていると、しばしば「挫折」や「失敗」などに関する設問について聞かれます。

「挫折経験を書け、とあるけど、どこまで書いたらいいか、わからない」

「失敗談って、大学受験の話だとダメですか?」

「『これまでに一番悲しかったこと』と設問にありますが、ここから何を見たいのでしょうか?」

「学生時代に頑張ったこと」のお題に対してもこれと似た質問をよく受けます。「これまでそんなに頑張ったことってないです。何を書けばいいですか? 一番、というなら大学受験になるのですが」という具合です。

■「挫折や失敗」を書けと言われても悩むのは当然

 20年ちょっとしか生きていないのに、そんな大きな話、あったっけ?と就活生の多くが考え込んでしまうのも無理はありません。

そこでまず、大学受験や高校時代の勉強、高校受験などを持ち出そうとします。しかし、これは就活生本人が引っ込めるか、大学キャリアセンターの添削などではねつけられます。理由は簡単で「それ、みんな苦労してますよね」。

となると、残りは、「家族や身内、ペットが亡くなった」「いじめを受けた」「部活でレギュラーから外れた」「アルバイト・サークルで失敗した」といったところです。この中で多さから言えば「家族・身内・ペット」か「いじめ」でしょうか。

ところが、これも企業が求める回答ではありません。では、どうしたらいいのでしょうか。

今から15年も前、この質問への対処方法を教えてくれたのが、とあるキャリア関係者でした。そのキャリア関係者から、もし私が就活生だったら「これまで一番悲しかったことは?」との質問にどう答えるのかと聞かれたのです。私は、「高校2年生のときに母が亡くなったことです」と実際にあった話を答えたのです。

すると、「えーと、そういう話だと、聞いている方も『それは悲しかったでしょうね』としか言いようがないです。だから、あまり企業が求める回答ではないですね」と、言われてしまいました。

え? そう言われても。私が大学生の時点で「一番悲しかったことは?」と聞かれたら、間違いなく、母が亡くなったことと答えるでしょう。それが駄目ならどういう回答ならよいのでしょうか。

答えはこうでした。「面接でその場の空気が極端に悪くならないような、苦労しつつも何かを克服した話が好まれます」とのこと。ですので、サークルや部活、アルバイトなど学生時代かせいぜい高校時代の話で、自分が克服したものを出せばいいのですとも言われました。

■企業の質問設定がおかしいのでは?

 「なるほど」と感心した一方で、ふつふつと「これは企業側のそもそもの質問がおかしいぞ」と違和感が湧いてきたのです。

ある採用担当者はこんなエピソードを明かしてくれました。「面接で挫折経験について聞いたところ、いじめの話をした女子学生がいた。話しているうちに過去のつらい経験を思い出したのか、号泣された。以来、面接で挫折経験は聞かないようにしている」

「悲しかったこと」「挫折」というお題であれば、就活生からすれば家族・身内を亡くした、いじめを受けた、というエピソードが出てくるのが自然なはず。サークルや部活、アルバイトなどでの挫折経験を求めるのであれば最初からそのような明確な質問をするほうが親切ではないでしょうか。

実際、企業側にもエントリーシートの質問を変えようとする動きが見られます。挫折や失敗経験に絡み、「サークル・部活・アルバイト等の集団に所属して」との一文を付けるなど、細かい条件設定を加えるような設問が増えています。

ただ、全ての企業が細かい条件を記してくれているわけではありません。「挫折」「苦労」「悲しかったこと」をストレートに聞く企業はまだまだ残っていると言っていいでしょう。

では、こうした設問・質問に学生はどう答えればいいでしょうか。そこまで難しい話ではありません。アルバイト、サークル・部活、大学の勉強やボランティア、留学などの話で十分です。要するに他の多くの就活生が書きそうなエピソードとほぼ同じで問題ありません。年齢や年代が設定されていないのであれば、高校の部活なども大丈夫です。

■質問に100%答える必要はない。少し当てはまることを探そう

 こう話すと、「アルバイトやサークルでそこまで大きな挫折をしたわけではないのですが、それでいいのですか?」と就活生からよく聞かれますが、全く問題ありません。

こう考えてみてください。大きな挫折をしていなくても、色々と真剣に考えてみた、ちょっと頑張ってみた、ということなら1つはあるはずです。「挫折」というお題に100%当てはまらなくても、70%ならどうでしょう、50%ならどうでしょうか。何かあるはずですよね。それを書いていけば十分なのです。

同じことは「頑張ったこと」にも当てはまります。

就活生によっては「大して頑張ったわけではない」と話す方もいます。よく聞いてみると、実は高い能力を持っていたので頑張る必要がなかったケースだったりします。そういう場合は、「最初から能力が高かった→その能力を生かして自分なりにこだわった→成功した」という流れでも全く問題はありません。

またスタンダードな「最初は能力が低かった→頑張った→状況が改善された」というガクチカ(学生時代に力を入れて頑張ったことの略)では定番の流れを書いてもいいですね。

このように「挫折」「失敗」であれ、「頑張ったこと」であれ、就活生からすれば「無理ゲー」と感じるような設問・質問は、少し考え方を変えれば回答が十分に可能です。「100%か0%か」という発想であれば確かに「無理ゲー」でしょう。そうではなく、「100%ではないが70%なら当てはまる」「50%でも」という発想で考えてみてください。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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