――ところで、マディソンのモデルは時代によってどう変化してきたのですか。

大平「最近では2016年にマイナーチェンジしましたが、形は大きく変わっていません。変化したのは、ゴージラインを上げたのと、ラペルの幅が細くなったことでしょうか」

――ゴージラインは前回のサイズの話でも出てきましたね。上襟と下襟を縫い合わせたラインのことでした。

ジャケットのゴージラインを説明する石津さん(右)と大平さん

■異なる素材や形を楽しんで

石津「昔はこんなにゴージラインが高くありませんでした。『男の洋服はミリ単位で変わる』というのは、まさにこういうところ。ゴージラインはまた5年もすれば下がるだろうけどね。ブレザーだって時代に合わせて変化したっていい。ジーンズにも合わせられるアイテムなんだからタブーはない。ルールに縛られていないからこそ、これだけ世の中に普及したんですよ」

――いつもブレザーを身につけていますが、何着くらいお持ちですか。

石津「スーツはシーズン1着くらいしか持っていません。すぐ古くさくなってしまうから。でもブレザーだけはね、家のハンガーに10着ほどかかっています。ブレザーの中にもいろんな種類がある。素材違い、総裏とか半裏とか機能性でそろえているものもありますし、襟が高い低い、広い狭いといった違いのものもあります。唯一、ブレザーだけだよ、コレクションしているのは。買い方のアドバイスとしては、気に入ったからといって同じものは買わない。ダブルや素材違いなど、変化を楽しむことです」

(聞き手はMen’s Fashion編集長 松本和佳)

石津祥介
服飾評論家。1935年岡山市生まれ。明治大学文学部中退、桑沢デザイン研究所卒。婦人画報社「メンズクラブ」編集部を経て、60年ヴァンヂャケット入社、主に企画・宣伝部と役員兼務。石津事務所代表として、アパレルブランディングや、衣・食・住に伴う企画ディレクション業務を行う。VAN創業者、石津謙介氏の長男。

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