自宅で焼きたて楽しみたい 「冷凍パン」を食べ比べ

今回試食した3社分の冷凍パン。左から「ル・オーブン」「ブーランジェリーピノキオ」「パンド」
今回試食した3社分の冷凍パン。左から「ル・オーブン」「ブーランジェリーピノキオ」「パンド」

さわやかな季節となりました。休みの日には少しぜいたくに、おいしいパンで朝食をとりたいというパン派も多いはず。そんな人におすすめなのが、「冷凍パン」です。パンを焼き上げた状態、または発酵させた後の状態のまま急速冷凍したもので、冷凍状態のまま自宅のトースターやオーブンで焼き上げれば、焼きたてパンと同様の風味が楽しめます。ベーカリーのパンに比べたら味が劣るのでは? 好みのパンがないのでは? という疑問を解消すべく、3社の冷凍パンを実際に試してみました。

本格的なハード系冷凍パン

Pasco(パスコ)のブランドで知られる敷島製パンは2018年11月、オンラインショップ「L’Oven(ル・オーブン)」にて冷凍パンの販売を開始。国産小麦にこだわった焼きたてパンが自宅で楽しめるとあって人気を集めています。

ここがポイント!
・大手パンメーカーの敷島製パンが製造
・温めがオーブントースターで手軽
・食事によく合うハード系欧風パンが豊富
上から、L'Ovenの「オリーブのプチブール」(2個入り)、「フィグのプチブール」(2個入り)、「くるみとレーズンのカンパーニュ」(いずれも単品販売はなく、セットでの販売)
同社「ル・オーブンのパンセット」(4320円/全8種)

おしゃれなパッケージには、しっかり焼き上げられた状態のパンが入っています。パッケージの裏には食べる前の焼き上げ方法の説明が。アルミホイルを敷いてから冷凍のままのパンを置き、さらにパンの上にもアルミホイルをかけて数分加熱します。その後トースターの扉を閉めたまま数分余熱で温めることで、パンを焦がさずに中までふっくらと焼き上げられます。

加熱する時間はパンの種類や大きさによって違い、「くるみとレーズンのカンパーニュ」は8分加熱後、8分余熱。朝ごはんの準備をしながら合計16分で焼きたてパンが食べられるというわけです。さてお味は……?

焦げ防止のアルミホイルを使って焼き上げる
焼くと生地はふっくら、しっとりしてライ麦の風味が味わえる本格派。「くるみとレーズンのカンパーニュ」は具材がふんだんに入っていて、ベーカリーのパンさながら

焼きあがったパンは、まるでベーカリーのオーブンから出てきたように表面はカリっと香ばしく、中はふんわり。スーパーで買ってきてトーストしたパンとも違い、しっとりしています。同店一番人気の「くるみとレーズンのカンパーニュ」はくるみと洋酒に漬け込んだカリフォルニア産レーズンがたっぷりと入っています。ゆっくりコーヒーと合わせて楽しみたい味わいです。

今回紹介した3種は「ル・オーブンのパンセット」での購入が可能。同店でラインアップされているのは、朝食だけでなく、洋食のランチやディナー、ワインやチーズとも相性の良いハード系のパンです。

敷島製パン新規チャネル開発推進グループ長の栗田木綿子さんによると「今回発売したのは『焼成後冷凍パン』(オーブンで焼き上げた後に、冷凍したもの)です。通常、焼成後は時間の経過とともにでんぷんが老化し、パンが硬くなったりパサついたりして、おいしさが損なわれていきます。そこで、弊社工場にて急速冷凍することにより、より早い段階でパンの老化を止め、おいしさを保ったまま静かに眠らせてご自宅にお届けします。お召し上がりの際には長時間の自然解凍は必要なく、オーブントースターに入れて焼き上げるだけで、簡単に焼きたてのパンがおたのしみいただけます」とのこと。

「当店で一番人気なのは『くるみとレーズンのカンパーニュ』です。初回お試しいただいて、2回目以降にギフトとして利用する方が多いように感じます。おうちで焼き上げる冷凍パンが、豊かで楽しい食卓を演出できるようになれば、うれしいですね」(栗田さん)。ホームパーティーなどおもてなしのシーンでも活躍しそうです。

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プロ向けのパンメーカー発、家庭向け冷凍パンブランド