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「電気のF1」フォーミュラE 市街地舞台に技術競う

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NIKKEI STYLE

電気自動車(EV)のフォーミュラカーで競うレース「フォーミュラE」。アウディやジャガーなどが競うこのレースに、今シーズンから日産自動車も参戦している。技術も観客も従来の自動車レースとは異なるというフォーミュラEに、日産はなぜ参戦するのか。自動車ジャーナリストの渡辺敏史氏が解説する。

◇  ◇  ◇

去る3月17日、今季からホンダがエンジンを供給するF1のチームレッドブル・ホンダが開幕戦のオーストラリアGPで3位入賞、ホンダとしては11年ぶりに表彰台にあがったことが話題になりました。

が、その翌週、同じ国際格式のフォーミュラレースで日産が2位に入ったことはあまり話題にのぼっていません。

その競技はフォーミュラE。EVのフォーミュラカーによるレースです。現在、2018/2019シーズンが行われているのですが、3月23日、中国・三亜で開催された第6戦で日産チームのオリバー・ローランドが2位になったのです。

市街地でレース、イベントと連動

フォーミュラEはEVの民間的普及を後押しするという大義をもって、14年から開催されています。オーガナイザーはFIA(国際自動車連盟)。フランスのコンコルド広場に本部を構えるこの組織は、F1を筆頭に国際的モータースポーツのあらかたをコントロールしています。

フォーミュラEの特徴は、EVでの競技ゆえ、騒音や排ガスといった従来のレース開催につきまとうマイナス要素は皆無ということ。その特性を生かしてフォーミュラEの競技は、公道を封鎖してレイアウトした市街地コースで行われます。

開催場所が街中となればアクセスの良さは、大抵が郊外にある一般的なサーキットの比ではありません。ご当地メジャーシンガーの野外ライブや移動遊園地など、従来のレースではほとんどなかった、クルマ絡みではないイベント、アクティビティーが相当充実しているのも戦略的な特徴です。すなわちFIAの側も、速い遅いの汗臭い競技だけで引っ張る興行ではこれから先、動員にも限界があるということを察しているのでしょう。レースに新しい観客を呼び込もうとしているわけです。

ちなみに決勝レースは1時間以内で完結する超スプリントスタイル。これはテレビ中継の尺に配慮して決められたそうです。

ファミリーや女性の比率が高い観客

しかしガチンコ勝負の参加者にとって、そんな緩い感じのイベントというのはどう映るのか。F1に比べれば相当安いといわれるものの、それなりの費用を投じて体制をつくりプロモーションに活用する自動車メーカーにとって効果測定は必須です。

現在、フォーミュラEにそういった体制で参加しているのはアウディ、DS(プジョーシトロエンなどの製造・販売を行うグループPSAのプレミアムブランド)、ジャガー、そして今期から加わったBMWと日産です。その日産のモータースポーツ部門を統括するニスモの片桐隆夫社長にその辺りを尋ねてみると、むしろ歓迎すべきことだという答えが返ってきました。

「フォーミュラEの観客層は今までの自動車レースとは大きく異なります。たとえばファミリーや女性の比率は明らかに高い。フォーミュラEを背景にリーフをはじめとした電動車両のイメージアップを図りたいという我々の思惑にとって、ブランドの距離感を縮める上でも、とても相性がいいんです」

ちなみに日産は昨シーズンまでフォーミュラEに参戦していたルノーの運営チームをごっそり受け継ぐ形で今シーズンからフォーミュラEに参戦しています。一方でルノーは劣勢のF1の側にリソースを集中するという戦略です。

ご存じの通り日産はリーフ発売から8年以上と、EVの世界では他社を大きく引き離す実績をあげています。そしてルノーは70年代からのF1コンストラクターの歴史があると、このすみ分けはマーケティング的にみても、本来そうあるべきだったものかもしれません。

レースのノウハウを市販車に

とはいえ、です。自動車メーカーが看板を掲げてレースに参加するのはマーケティング的な理由だけではありません。それよりも大事にされるべきは市販車と相通じるエンジニアリング的理由です。果たしてフォーミュラEにはそれがあるのか。片桐さんは「大あり」だと即答します。

「フォーミュラEでは限られた電気をギリギリまで効率よく使うことが勝利の必須条件です。制御ソフトウエアの開発は熾烈(しれつ)を極めていますし、ドライバーには決勝のレース中もひっきりなしにパワーの使い方に関して無線で指示が飛びます。そうやって電池のキワのキワまで使い抜く究極のエネルギーマネジメントを導き出す上で、リーフで培ったモーターの状態情報抽出のノウハウは相当役に立っています。また、その逆もしかりということで、フォーミュラEのマネジメントを市販EVにフィードバックすべく、エネルギーデータは市販車部門でも精査しています」

ちなみにフォーミュラEの参戦車両はバッテリーが共通品である一方、モーターとそのアウトプットを駆動に最適化するギアボックス、エネルギーマネジメントの要となるインバータの仕様には一定の自由が与えられています。ここに各チームの開発資源の大半が注ぎ込まれていることは想像に難くありません。

レース開催に積極的な横浜市に次いで東京都でも誘致検討が始まるといった報道も見られるなど、ここ日本でもフォーミュラEを取り巻く環境は少しずつ活性化してきているようにうかがえます。レースである以上勝ち負けが一番大事ではあるものの、その周辺にある技術的、マーケティング的施策に目を向けてみるのも面白いかもしれません。

渡辺敏史
 福岡県出身。出版社で二・四輪誌編集に携わった後、フリーの自動車ライターに。主な著書に、2005~13年まで週刊文春に連載した内容をまとめた「カーなべ」(上下巻、カーグラフィック)。

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