[ 3. “洗練”で魅せる北伊3傑 ]
■CARUSO/カルーゾ
モードな感性も備えた国際派
1958年にパルマで創業したカルーゾは、長い歴史の中で数々のメゾンブランドとも取引し、技術だけでなく国際的な感性も磨いてきた。ウールモヘア生地によるこちらも、パッドで補強された端正な肩や非常にクリーンなカッティングなど、イタリアスーツの枠を超えたインターナショナルな佇まいだ。 18万円(トゥモローランド)

■PAIDEIA/パイデア
フラワーホール1つまで精緻
パルマを拠点とするジャンフランコ ボメザドリ社が手掛けるブランド。本格的なフル毛芯仕立てにこだわったスーツに特化している。仕立てのレベルはイタリア随一と名高く、フラワーホール1つとっても非常に精緻な仕上がりだ。こちらは茶のマイクロ千鳥で英国調を意識。 28万3000円(バインド ピーアール)

■LUIGI BIANCHI MANTOVA/ルイジ ビアンキ マントヴァ
遂に日本上陸を果たした古豪
1911年にマントヴァで創業した老舗。ジャケットでお馴染みのL.B.M.1911と同グループだが、よりクラシックな本格仕立てが基本だ。昨年日本初上陸を果たし、注目度上昇中。こちらはロロ・ピアーナの伸縮ウール「ムービング」を採用した一着。 16万6000円(トヨダトレーディング プレスルーム)

【 ベルトレスパンツはアジャスターにも注目 】
ベルトレスの場合、アジャスターの形状もパンツの表情を左右するポイント。左はシンプルなボタン留め、右はピストル型と呼ばれるアジャスターを採用している。前者はミニマルでクリーン、後者はクラシック感の強い印象となる。

[ 4. スーツの新時代を拓いた平成の雄 ]

1. BOGLIOLISTILE LATINO/ボリオリ
アンコン仕立ての火付け役
今や当たり前になっているアンコン仕立てだが、そのパイオニアとなったのがボリオリだ。シャツのように軽いのにしっかりと構築的に見えるスーツは今なおファン多数。こちらは定番「Kジャケット」ラインの一着で、無地に見えて近づくと表情あるピンヘッド柄。さりげない洒落心もボリオリの十八番だ。 16万8000円(ボリオリ 東京店)
2. TAGLIATORE/タリアトーレ
プーリア発のニューヒーロー
ナポリの対岸、アドリア海側に位置するプーリアで生まれた英雄、タリアトーレ。優れた仕立てに加え、デザイナーであるピーノ・レラリオ氏独自の攻めを利かせた提案が真骨頂だ。こちらの「ヴェスヴィオ」モデルも、ウエストを絞り込んだセクシーなラインとくっきりとしたストライプで艶気満点の仕上がり。 14万5000円(トレメッツォ)
3. LARDINI/ラルディーニ
今や“いいスーツ”のアイコン
クラシックウェアの“今”を語るうえで、もはやラルディーニは不可欠だ。時代性の表現力が抜群で、新鮮ながら万人に受ける絶妙なコレクションを毎季連発。印象的な花のラペルピンとも相まって、今や“いいスーツ”の象徴的存在に。こちらは光沢あるシャドー縞が品よく華やかで、様々なTPOで活躍。 14万9000円(ラルディーニ 東京店)
【 微差こそ大差!?な胸ポケ比較 】
普段見逃しがちだが、胸ポケットの形状も結構スーツの印象を左右する。カーブの強いバルカポケットを採用したラルディーニはイタリアンクラシック、下辺が直線的なタリアトーレはシャープな雰囲気。緩やかなカーブのボリオリはイメージも穏やかだ。


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