おいしいお酒はたくさん飲みたいものだが、体がついてこない…。そんな左党の強力な味方になってくれるのが「飲む前に飲む助っ人」。ウコンや肝臓水解物、あるいは漢方薬などが一般的だが、それらのいずれでもない「酢酸菌酵素」という新たな選択肢があるという。酒ジャーナリストの葉石かおりが、この酢酸菌酵素を含むサプリを商品化したキユーピー研究開発本部の奥山洋平さんを直撃して話を聞いた。
◇ ◇ ◇
「あ~、もっと多くお酒が楽しめたらな~。それも二日酔いなしで」
こんな都合がいいことを考えているのは、きっと私だけではないはずだ。おいしいお酒は、世の中に星の数ほどある。健康さえ害さなければ、飲める量は多ければ多いほどいい。
しかし残念なことに肝臓でのアルコール処理能力には限界がある。また、長年にわたって肝臓を酷使すると、肝炎や肝硬変といった重篤な病気に罹患する確率が高くなる。
病気のリスクを理解しているけど、おいしいお酒をたっくさん飲みたい。でもつらい二日酔いはイヤ、そして肝臓が傷めつけられて病気になるのはもっとイヤ! こんなときに左党が頼るのが、アルコール分解で働き続ける肝臓をサポートしてくれる「助っ人」だ。
飲む前に飲む「助っ人」といったら、一般にウコンや肝臓水解物を想像する人が多いだろう。このほか、五苓散などの漢方薬も知られている。ところが、これらに該当しない「助っ人」があるという。それが「酢酸菌酵素」だ。数年前からサプリメントとして販売されている。
しかし、「酢酸菌酵素」と言われても、多くの人はご存じないだろう。私も最初に聞いたときは、何のことかさっぱり分からなかった。

酢酸菌酵素の力に着目し、サプリメントにしてしまった人、それがキユーピー研究開発本部の奥山洋平さんである。キユーピーといえば、言わずと知れたマヨネーズやドレッシングで知られる有名企業。なぜキユーピーがお酒のサプリメントを? そして本当に効くの? と思われる方が多いだろう。
実は、このサプリ、私の周りでも日本酒や本格焼酎の蔵元を中心に「箱買いして飲んでいる」という方がいる。この謎のサプリ、いったいいかなる存在なのか。その中身と作用の仕組みを確認せねばなるまい。今回は、キユーピーの奥山さんを直撃して詳しい話を聞いた。
体内のアルコール分解と、お酢の製造プロセスは同じだった!?
奥山さん、そもそも、酢酸菌、そして酢酸菌酵素って何なのでしょう? そして、お酒との関係は?