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高金利外債に潜むリスク 長期で為替差損の傾向

2019/4/12

ブラジルレアルや南アフリカランドなど他の高金利通貨も同様に、長期的には購買力平価の方向に導かれるように下落している。高金利外債を買って金利収入を得られたとしても、結果的に為替差損の拡大で帳消しになることがある。

為替を決める要素は購買力以外にもさまざまある。それでも「長期ではインフレ率格差をベースに考えるのが基本」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏)と指摘する専門家は多い。

購買力平価の考え方を知っていれば外貨投資に生かせる。そのときの為替相場が購買力平価から大きく乖離(かいり)していた場合、「いずれ為替相場は本来の水準に戻るはず」と考えて投資戦略を立てられる。

ドルの対円相場を例にみてみよう。変動相場制になった1973年を基準とする購買力平価(企業物価の差から計算)は80年ごろには1ドル=200円台半ばだった。その後は米国のインフレ率が日本より年2%ほど高い状況が続いたのを映して長期で下がっている。

実際のドル相場も長期的に購買力平価とほぼ同じ方向、つまりドル安・円高方向に動いてきた。ここで注目すべきは、2国間の政治情勢などを背景に、購買力平価から大幅に乖離する時期が過去にあったことだ。

図Bでは時期によりドル相場が、購買力平価と比べてどれだけ上振れ・下振れしていたかを試算。さらに、それぞれ5年後にドル相場がどれだけ上昇・下落していたかを示した。

例えば2割強上振れした82年にドルを買っていたとすると、その後のドル安により5年後には5割前後の損失を負ったことになる。4割強下振れした95年にドルを買っていたら反対に2割の利益を上げられた。

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