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焼き鳥・水炊きのコースで鶏のうまみ堪能 東京・池尻

2019/4/15

「鶏手羽」は焼き加減が絶妙

「鶏手羽」は皮目の焼き加減が絶妙。レモンを搾ってかぶりつくとかんばしさが口いっぱいに広がり、その後たっぷりの肉汁が追いかけてくる。

引き立てられた肉のうまみを感じつつも、レモンの酸によって脂が流れ、水炊きへの準備が完了する。

いよいよ、本日の主役である水炊きの登場だ。大鍋から土鍋に移された濃厚な鶏スープが沸き立つさまは迫力満点で、食欲をそそる。

最初に、小さな器でスープだけを味わう。濃厚だが脂っぽさは無く、意外なほどすっきりした味わい。鶏のコク、うまみだけがしっかり濃縮されているのを感じる。

スープの煮込み時間は6時間ほどだが、最初の段階で鶏ガラを漬け汁に浸しては洗い、浸しては洗いという作業を数回繰り返すため、トータルの仕込み時間は15時間以上もかかっているという。

そうした下準備を徹底しているからこそ、淡麗で上品な味わいに仕上がるのだ。

同店の水炊きは鍋料理でありながら、野菜や豆腐、葛切りなどは一切入らない。水炊きの元祖といわれる「玄海」もこのスタイルであり、「じつは『玄海』の水炊きにヒントを得て、自分なりに工夫を加えました」と土屋さんは話す。

「伊達鶏の水炊き」には、骨付きモモのぶつ切り肉と、手羽元肉が入っている。肉は箸で触れただけでくずれるほどやわらかい。鶏肉もスープもうまみが濃いのでまずはそのまま何もつけずに味わいたい。

鶏肉だけをシンプルに味わうことで、一片の肉のなかにもさまざまな味の変化があることに気づく。

食べ進めたのちに投入されるのが「つくね」。なめらかさと鶏肉のかみごたえの両方が感じられる絶妙なひき具合。だしの効いたポン酢との相性も抜群だ。

そして「〆(シメ)の雑炊」はひと通り肉を食べ終わったところで、土屋さんがカウンター越しに作ってくれる。鶏スープを吸ってふっくら膨らんだおコメにトロトロの卵をまとわせて完成。

ご飯に染みこむことで、さらに鶏のうまみが鮮烈に感じられる。

「水菓子のイチゴ」でコースが終了する頃にはカウンターは満席。オープンして間もない隠れ家のような店であり、「1人でやっているので、宣伝をしている暇もないです」(土屋さん)というのに、この盛況だ。

「おいしい店の情報は、あっという間に広がる」ということを改めて実感できる。

ちなみに「鳥とみ」という店名は土屋さんの出身地である長野県東御(とうみ)市からとっている。

「こじつけですが、『鳥味(とみ)』『鳥実(とみ)』『富』など、おいしい鳥で豊かな実りをもたらしたいという願いをこめて、この名前にしました」(土屋さん)

今は設備上の理由で焼き鳥を焼ける本数が限られているが、追々改修し、焼き鳥メニューも増やしていきたいとのこと。そうなればこの店を訪れる楽しみが、さらに増えそうだ。

<メニュー>

鳥とみのコース 6000円 / 瓶ビール(中瓶) 650円~ / 山椒ハイ 700円  ※価格はすべて税別

鳥とみ
東京都世田谷区池尻1-11-8 ワコーハイム 1F
電話:03-6805-5283
営業時間:18:00~24:00
定休日:日曜
※上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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