採用専門、求む新型リクルーター 営業やコンサル転身エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

リクルーターへの転職に向いている仕事は?

より具体的に、リクルーターの候補になり得る職種を挙げてみましょう。

・無形商材、課題解決型の営業職

最も親和性が高いのが、人材業界の法人営業職。転職マーケットのトレンドに関する知識、企業と人の「マッチング」の経験がそのまま生かせます。

IT(情報技術)業界の営業職も、企業の課題分析・提案を行ってきたという点でスキルを転用できるでしょう。実際、「経営課題の根本的な部分を解決するためには、システムよりも人が重要」という考えに至り、IT分野から人材分野に転身を図る人も見受けられます。

・コンサルタント

経営課題を分析して解決策を練るコンサルタントは、そのテーマを「人材」に絞るという形で経験が生かせます。プレゼンテーション力が養われている点も強みといえます。

・営業適性を持つ、幅広い職種

候補者となりやすいのは上記に挙げた営業、コンサルタント経験者ですが、それだけに限りません。例えば、エンジニアやクリエイターといった職種でも、先ほど述べたような課題解決力、プレゼン力、マーケティングセンス、営業マインドといった要素を備えていれば、チャンスはあります。それこそ、エンジニアやクリエイターといった専門職の採用に力を入れる企業であれば、ターゲットと同職種の経験は重宝されるでしょう。

リクルーターの経験は人事への転身の足がかりにもなりそう。写真はイメージ=PIXTA

エンジニアなどが何らかの理由で人事という分野に興味を抱いた場合、いきなり人事職にキャリアチェンジするのはハードルが高いもの。しかし、リクルーターというポジションのニーズが生まれたことで、リクルーターという入り口からスタートし、採用活動から徐々に領域を広げていって「人事のプロ」を目指すという道が開かれたといえます。人事への転身を目指す人はチャレンジしてみてもいいかもしれません。

その場合、これまでの仕事の中で、社内外に対して「課題解決」を主体的に働きかけ、実現してきた経験をアピールできるようにしておきましょう。

リクルーターの働き方、キャリアパスはどうなっている?

こうしたリクルーターの採用においては、雇用形態は比較的柔軟です。「正社員として採用したい」というニーズはあるものの、難しい場合は「業務委託でもOK」とされます。実際、フリーランスのリクルーターとして、複数の企業と契約を結んでリクルーティングを行っている人もいます。

正社員として採用する場合、「リクルーターを経て、いずれ人事のプロフェショナルになってほしい」という要望は、採用側には強くありません。本人の志向によっては、採用だけでなく人事制度企画、研修といった領域まで経験を広げることも可能でしょうが、企業側は必ずしもそれを前提としていないということです。

前述のとおり、採用対象は営業、コンサル、マーケティングといったスキルを持つ人材ですので、むしろそうした部署・職種との兼務や異動の可能性のほうが高いといえます。あるいは「自社を売り込む」という業務特性から、広報と兼務する道も考えられます。

もちろん、その会社で採用ニーズが満たされ、リクルーターとしての役割を終えた場合は、経験を武器に別の企業でリクルーターを担うというキャリアパスも考えられるでしょう。

私自身、転職エージェントとして、日々、企業と人材のマッチングをお手伝いしていますが、「人材との出会いをきっかけに企業が発展する」「企業との出会いをきっかけに人生がよりよくなる」というプロセスに立ち会えることに大きなやりがいと喜びを感じています。そんな「出会い」を生み出したい人は、キャリアの選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。次回は2019年4月19日の予定です。この連載は3人が交代で執筆します。

森本千賀子
morich代表取締役 兼 All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊「のぼりつめる男 課長どまりの男」(サンマーク出版)ほか、著書多数。

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