景気腰折れせず 株式総悲観から大転換へ(武者陵司)武者リサーチ代表

写真はイメージ=123RF
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「世界経済は近い将来、リセッションに陥るどころか米国・中国経済を中心に浮揚力を強めていく可能性が強い」

世界の株式市場は1~2月の急反発場面、3月の足踏み状態を経て、4月に再騰場面に入ったかのようである。米国株式は米ダウ工業株30種平均、S&P500種株価指数ともに2018年秋の史上最高値からクリスマスにかけて20%程度下落したが、19年1~3月でほぼ20%上昇し、史上最高値に近づきつつある。最高値更新は今や時間の問題であろう。中国上海総合指数は年初来30%程度上昇し、18年3~4月の米中貿易戦争勃発時の水準に戻った。これらは18年末の株価急落が長期上昇トレンドの終わりではなく、踊り場であった可能性を強く示唆している。

米半導体株指数、大相場の前兆

後述するように18年の下落の主な要因とされた経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)への懸念はほぼ後退したとみている。世界経済は近い将来、景気後退(リセッション)に陥るどころか、むしろ米国・中国経済を中心に浮揚力を強めていく可能性が強い。

特に注目されるのは米フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の強さである。昨年末のボトム比40%弱上昇し、18年秋以降の急落前水準のみならず、18年3月の史上最高値を更新している。米製造業の成長の短期的なへこみ(ディップ)が終わりつつあることを示唆している。この強さは1996年と2012年と類似しているが、ともに大半導体相場の起点であった。これに対して日本株、特にハイテク関連株が出遅れている。18年10月以降の日本株下落を主導したのが電機・化学セクターであった。電機・化学セクターはハイテクの部品・素材・機械に幅広く関わる。中国を中心に輸出依存で、世界の景気変動に敏感であり、米中貿易戦争と中国経済減速の影響を受けた。電機・化学セクターは年初来、米国のSOX指数に比較し著しく回復が遅れているが、そのキャッチアップが起きるとすれば、今後の日経平均株価を大きく押し上げる要因になるだろう。

以下では18年の相場下落時の懸念がほぼ杞憂(きゆう)だと筆者が考える理由を5つのポイントに分けて説明する。

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