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100メートル9秒3超えも 人類最速への道は四足歩行?

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NIKKEI STYLE

開幕まで500日を切った東京五輪では、人類が限界を超える姿を目撃するのも楽しみのひとつです。中でも100メートル走やマラソンなど陸上の新記録には、注目が集まります。科学や進化の観点から人間が速く走る方法を専門家に聞きました。

まずはウサイン・ボルト氏が2009年に出した100メートル走9秒58の世界記録は更新できるでしょうか。日本体育大学の阿江通良教授は「ポイントは終盤の減速にある」と話しています。100メートルを走る選手の瞬間速度は60~70メートルでピークに達し、以後はゴールまで減速してしまいます。どんな選手も「筋肉などが100メートルの途中で限界に達するため」(阿江氏)です。体のどの部分が限界に達するかは選手によって異なり、科学的に未解明な点も多いそうです。

ボルト氏の走りも加速は世界最高峰でしたが「減速局面には改善の余地があるかもしれない」(同)とみられます。一流選手の加速と減速のデータを集め、全てが完璧な選手を想定すると、人類は9秒3台まで記録を縮めることができるそうです。

「9秒3も切れる」という論文を16年に発表したのは、神奈川大学の衣笠竜太教授です。ただし記録は二足走行ではなく、四足走行によって生まれると唱えています。人類は数百万年かけて四足から二足歩行に移行しましたが、衣笠氏は「進化の過程で速く走る能力を失ったのではないか」と考えています。

衣笠氏の研究を実践に移しているのが、100メートルの四足走行でギネス記録(15秒71)を持ついとうけんいち氏です。「チーターなど速い動物はみな四足」という信念から十数年の訓練を重ねてきました。いとう氏によると記録更新への最大のポイントは「背筋です」。チーターのように背筋がしなれば、強い推進力が得られるそうです。

ちなみにいとう氏も「長距離は二足走行が優位」と認めています。最近の研究では、人類が長距離を走って食物を得る能力を、進化の過程で獲得してきたことが明らかになっています。

マラソンの世界記録2時間1分39秒の更新は可能でしょうか。日体大の杉田正明教授は「カギはグリコーゲン」と話しています。マラソンは脂肪など体内の様々な物質を燃やして走破しますが、最も燃費のいいエネルギー源は糖分の一種であるグリコーゲンです。

グリコーゲンは普通に走ると30キロメートルすぎで枯渇するため、選手は温存を図らなくてはなりません。しかし暑熱で体温が上がるとグリコーゲンは余計に燃えてしまいます。杉田氏は「高温多湿の東京五輪では、体をいかに冷やすかが最大のテーマ」と指摘しています。

杉田正明・日本体育大学教授「マラソン練習、朝食前に」

マラソンを速く走るには、何が必要でしょうか。バイオメカニクス(生体工学)を研究する日本体育大学の杉田正明教授に聞きました。

――マラソンの世界新記録を出す条件は何でしょう。

「限られた人体のエネルギーをいかに配分するかが大切なポイントだ。中でも長い距離を速く走るには、筋肉を動かす糖分の一種であるグリコーゲンが最も貴重なエネルギー源となる。脂肪やたんぱく質に比べてエネルギーへの変換効率が良く、クルマで言えばハイオク燃料のようなものだ。しかし人体がたくわえているグリコーゲンはめいっぱい走ると約30キロメートル過ぎで切れてしまう。脂肪やたんぱく質を燃やしながら、いかにグリコーゲンを保持し続けるかが勝負の分かれ目だ」

――どうすればグリコーゲンを節約できるのでしょう。

「たとえばマラソン選手は朝の練習前には食事をとらない。体は糖分を頼れなくなり、体にたくわえた脂肪を燃やすようになる。そして練習を繰り返せば脂肪の燃焼効率がよくなり、結果的にグリコーゲンが枯渇しにくくなる。朝は食べないで、空腹のまま走るのが合理的だ。市民ランナーの練習や一般の人のダイエット対策としても有効だろう」

――東京五輪で新記録も期待できますか。

「問題は東京の暑さだろう。グリコーゲンは、体温が上がるほど、消耗が激しくなるからだ。したがって体温の上昇を抑える方策が重要になる。給水時に氷などを摂取したり、走行中に頭から冷水をかぶったりするなど、体を冷やす最適な方法を研究中だ」

――マラソンはどのくらいまで新記録が可能なのですか。

「従来の記録更新のペースが続けば(現在の2時間1分39秒から)1時間50分くらいまで縮められるとみている。エネルギー効率のよい飲料や、弾むように走れるシューズの開発なども記録更新を後押しするだろう」

――普通の人にも応用できることはありますか。

「二足走行というのは長距離を走るのに適している。一定の距離を早歩きするよりは小走りしたほうが酸素の消費量が少なくて済み、エネルギー効率が良い。日常の場でも無理して早歩きするより、ゆっくり走ったほうが軽やかに移動できるだろう」

(高橋元気)

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